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2006年12月28日

【 金属の持つ「ぬくもり」 】

それにしても、なんという美しいエンジンだろう。

決して意図した造形美ではないし、機能性を優先した無骨なパーツの組み合わせでしかないのだけれど、美しいことに変わりはない。

経年で焼けてしまったカムヘッドのカバーや、そこから伸びるタコメータ・ワイヤーの取り出し口の陰、そしてクランクケースから真っ直ぐ伸びたシャフトカバー。良く見ればクランクケースのサイドカバーには転倒の傷跡や腐食の跡があるが、適度に磨きこまれたているために、それすらも美しさの演出を手伝っている。

燻し銀という表現があるが、正にそれだと思った。

イタリアの奇才が引いた一枚の図面は、それまでのOHVやOHCエンジンが抱えていた高回転時の問題を払拭できるという無限の可能性を「理論上」秘めていた。バルブスプリングを持たないバルブ強制開閉式のOHC機構、Desmodromic(デスモドローミック)。スプリングによるバルブ開閉機構では避けることができない高回転時のバルブジャンプを排除するために、開側/閉側のそれぞれにロッカーアームを用意し、それらをカムで直接駆動するという逆転の発想。

元祖Lツインの真骨頂は750SSだろうと言う話もあるが、まぁそれはこの際目を瞑って、この燻し銀の美しさに、しばし時を忘れようじゃないか。

P.S.
Desmodromicの原型がFabio Taglioni氏によって生み出されてから約半世紀が過ぎようとしている(2008年で、ちょうど50年目を迎える)。

氏の直感は決して間違いではなかったし1972年のImolaでは賞賛に値する結果を残せたものの、その直後から日本のメーカが欧米で台頭するなど、様々な外的要因が行く手を阻み、無限の可能性を「理論上」以上の結果に繋げるまでにはかなりの時間を要した。1983年にCagivaグループに吸収されてからは文字どおりの快進撃で、エンジンも確実に進化を遂げて、今に受け継がれている。

個人的には車輌としてのDUCATIに興味はないが、醜悪な外装のコッグドベルト駆動になる前のDesmodromic機構を搭載したDUCATIのLツイン・エンジンは、やはり好きな部類に入る。いや、正直言えば、BMW Renn Sport Kompressorに搭載されていたベベルギヤ駆動のコンパクトなDOHC機構を持つ超ケッタイなエンジンに次いで、二番目に好きなエンジンだと思う。

ちょっと逝ってしまってる意見なので、軽くスルーしてもらってかまわないのだが…。

|by Nagarazoku : 00:59コメント (0)トラックバック (0)

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