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2006年12月27日

【 照柿色に染まった、最後のモミジ 】

サラリーマン時代、この季節の一番の楽しみと言えばシゴトをサボって有給休暇を取って、昼間にブラブラと北摂から京都の北山にかけてのワインデインング・ロードをあてもなく単車で流すことだった。

当時はもうすでに股関節に障害を持っていたので、昔のようなアグレッシブな走り方は出来なくなっていたのだけれど、それでも、適度なペースで山間部を流していると、日々の鬱憤や会社と言う組織のなかでの軋轢を忘れて、純粋に時間や空間と戯れることができた。

この季節が好きだった理由はエンジンから立ち上ってくる熱が心地よく感じた所為もあるけれど、なによりも目に飛び込んでくる日の光が柔らかかったからだろう。つるべ落としのように沈んでしまうこの季節の太陽だけど、その光は、実際どの季節のものよりも温かいし、優しい。きっと本能的にそういうものを感じたくて、会社を休んで山の中へと出かけて行ったのだろう。

それから、当時特に美しいなぁと思ったのは、山を走っていて時折見かける枝に残った柿の実。

葉は全て落ちつくした枝に、いくつか柿の実だけが残っている。もう熟しきっていて、カラスやなんかが突いた後もあるのだけども、その柿色の美しいことと言ったら…。照柿色と言えばいいのか、晩秋の夕暮れ時の柔らかな光に包まれた、熟しきった柿の色はなかなか言葉では表現が難しい。

もう単車も乗らなくなって、大阪も離れて山は益々遠くなってしまって、すっかりとそんな照柿色にはお目にかかれなくなったのだけれど、一昨日、近所の寺の境内で照柿色に染まったモミジを見かけた。暖冬の所為か、今年はいつまでも葉を残していて、そいつがかなり良い具合に染まっていた。

もしや、近所に柿はないかと辺りを見回してみたが、そう都合よくはゆくハズもなく、それでもここまで葉を落とさずに染まりきったモミジを見れたのも何か縁だと、シャッターを切っておいた。

そして昨日はあの大雨。
きっと残っていた葉もみんな落ちてしまったに違いない、とか、ちょっとばかり色んなことを回想しつつ…。

|by Nagarazoku : 01:43コメント (0)トラックバック (0)

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