≪ 蔓って、やっぱりオモロイわぁ |メインページへ戻る| First impression of SIGMA's 30mm F1.4 EX DC HSM ≫

2006年11月17日

【 他社サイトへのリンクを禁止する方針については 】

ミキタニ君へのCNET Japanのインタビューが掲載されましたね。
--これまでAPIを公開していませんでしたが、なぜこの判断を下すことになったのですか。

 世の中の流れがそうなってきているということでしょう。ただ言えるのは、2002年に仮想モールの出店料に従量課金を導入しましたが(編集部注:それ以前は月額利用料のみで収益構造を大きく変えることとなった)、それに匹敵する、あるいはそれを上回るビジネスモデルの変更であるという風に考えています。
--今回初めて口にしたキーワードとなる「楽天経済圏」の入り口を多くするというコンセプトですか。

 いえいえ、楽天経済圏の入り口を全方位的に解放するということです。
--他社サイトへのリンクを禁止する方針については。

 それは変わらないと思いますね。
[ 出典:三木谷社長が初めて明かす、Web 2.0時代の「楽天経済圏」@japan.cnet.com ]
っつうか、ま、ガムバッテクダサイと言う感じですね。現場からすれば今までとは違う方向へと言うことで(API公開とか考えずに積み上げてきた部分が多々あるでしょうし)、かなりテンヤワンヤなんでしょうが。

っつうか、「--他社サイトへのリンクを禁止する方針については。」に対して躊躇無く「それは変わらないと思いますね。」ってアタリがWeb 2.0時代には激しくそぐわないような気がしてたりするんですが…。Web 1.0企業といわれている遠因がここにあるコトに気が付いてないあたりで、やっぱりカラクリだけ用意しても…、的なあきらめを感じてしまうのですよ。

[P.S.:独白]
六本木ヒルズにある楽天の本社には何度か仕事でおじゃましたことがあります。そのたびに思ったのは「なんとも華々しいところだなぁ」と言うことです。

そして、出店者の多くがロングテールと呼ばれる層に属し、日々地道な商いを続けているのになぜ大家とも言える楽天がこれほどまでに豪勢で華々しい世界を謳歌しているのかと言う疑問もつのるばかりでした。

もちろん生き馬の目を抜くビジネスの世界ですから、成功や搾取は当然でしょう。それでもオペレーションや管理に携わるエンジニアの方々の地道な作業や、池袋のデータセンタの中に鎮座するSun Enterprisの裾からあふれ出たケーブル、追いつかない空調を補うべく前に置かれた扇風機などと言う現場における「継ぎ接ぎ」を知っている者としては、なぜこれほどまでに上辺ばかりを取り繕うのかと言う疑問がアタマの中をぐるぐると回るのでした。

今でこそカード情報や顧客情報は容易には出店者の手にも渡らなくなりましたが、以前は管理画面からも簡単にダウンロードが可能でした。それを初めて見たのは2001年の終わりごろだったと思いますが、丁度私がCISAの勉強をしていた時期とも重なり「なんともふざけた管理体制だなぁ、このままだといつか絶対に問題を起こすなぁ」と思ったのを覚えています。

そして、案の定問題は発生しました。上述の状況を踏まえれば、責任は出店者側にもそして楽天側にもあったように思います。そしてこの問題の後、楽天は守りを固めました。いつでもこうやってトレンドを見つつ、後手で対応を進めるのが体質なのでしょうが、やはりそれでもなんだか納得できない部分が多々あります。今回のWeb 2.0発言も、恐らくその手合いのパフォーマンスの一種なんだろうなぁと、思わざるを得ないのが事実です。

一番見えないのは楽天のスタンスです。楽天は出店者をサポートする立場なのか、それとも自らの利益を最大限に確保するためにはむしり取るだけむしり取る独裁者なのか(現在のカードの決済などの詳細を見れば、思わず「!!!」と感嘆符が3つくらい並んでしまいそうな内容です)。

APIの開発と公開というものが別にWeb 2.0を支えているわけではないと思います。それはShereというオブジェクトに含まれるプロパティやエレメントに過ぎない話なのです。そして「--他社サイトへのリンクを禁止する方針については。」に対する回答で「それは変わらないと思いますね。」とShereをキッパリと否定した以上、やはりまだ脱皮できていないなぁと、そんな風に感じたのです。

「エンドユーザは楽天から商品を買っているのではない」と言う視点と「楽天は出店者のサポータである」と言う視点に立って構造を再構築しないかぎり、カラクリだけを入れ替えても上っ面だけ張り替えても、結局は何も変わりません。はがれかかったWeb 2.0と言う値札の下には、以前に貼られていたWeb 0.9あたりの値札が見え隠れしてたりするのですから。

Amazonのように在庫/在庫確保というリスクを背負わない以上、いらぬ部分に注力しなければ過去5年間でもっと大きな存在になれた企業、それが楽天ではないかと、私はそんな風にも思っています。どこでボタンを掛け違えたのか、どこで歯車が狂ったのかはわかりませんが、現状を見る限りShereとは正反対の方向へ突き進んでいるのは事実でしょう。

私は楽天を使って欲しい商品はチェックしますが、いざ買う時はとりあえず店舗に直接電話をします。ひょっとすれば楽天のシステムを介さずに商品を購入できるからかも知れないからです。今時はeコレクトなどでの支払いも一般的になってきていますし、楽天を介さない分、店舗が得られる収益も若干ではあるものの増えると思うからです。私は店舗とのお付き合いは大事にしたいと思いますは、今の状態では楽天との付き合いは仕事以外では持ちたくないというのが事実です。

と、まぁここまで書いて、「さて、果たして今度は店舗情報に電話番号を掲載することを禁止しますかミキタニ君?」と訊きたくなってしまいます。ま、それは法律に触れることですし、できないことなので訊くだけヤボなのですが…。少なくとも私のようなエンドユーザ/消費者は無数に居るはずです。こういうエンドユーザが生まれたその遠因を深く追求していかないかぎり、ラベルだけ2.0に張り替えても仕方ないのだと、そんな風に思える今日この頃です。

各店舗が自社のWebサイトでカートを利用できるようなAPIを公開する、クロスリンクを可能にする、より容易に使える在庫管理システムとそれに連携した会計システムをASPで提供する、商社などとタッグを組んで店舗が利用できる共同仕入れのためのワークフローを作り、それをシステムで提供できるようにする、その過程で内部のDCに抱える大掛かりなカラクリを簡素化し、トラフィックを最適化して運用コストを下げ、それをエンドユーザと店舗と社員に還元するとか、ま、書き出せばShereをサポートしていくためのフレームワークなんていくらでも考えられるのですが。

|by Nagarazoku : 11:10コメント (4)トラックバック (0)

トラックバック・スパム対策のため、このBLOGへのリンクを持たないページから送られたトラックバックは自動的に拒否されます。悪しからずご了承ください。
また、このエントリと全然関係の無い内容のページからのトラックバックは、アタシ的な判断で勝手に削除します。これも又、ご了承くださいマセ。

■このエントリーのトラックバックURL ≫ http://www.nagarazoku.com/mvt/mt-tb.cgi/917



▼コメント(スパム対策のため、半角英文のみのコメントは受け付けていません。悪しからずご了承ください。)

大変興味深いエントリですね。うんうんと頷きながら読ませて頂きました。激しく同感です。そもそもAPIという言葉を技術者でも無い人間が頻発しているところに、何だか哀れな感があります。楽天がweb2.0をのたまう唯一の根拠であるかのように...
しかし、おっしゃる通りAPIはツールに過ぎないわけで、「外部へのリンク禁止」という囲い込み的な発想が変わらない限りは、どれだけやってみたところで、ユーザーには受け入れられないでしょうねぇ。
仕事の関係でオンラインショップオーナーさんとお会いする事が多いですが、皆そろって楽天を憎んでますよ。楽天を使いたいから使うのではなくて、(集客力という意味で)楽天を使わざるをえないっていう現状が広く蔓延している事にもっと目を向けるべきだと思いますね。
いつか、破綻しそうな気がします。ひょんな事をきっかけに、いっきにユーザー離れが進むとか...

投稿者 oishi : 2006年11月17日 13:20

>oishi様:
コメント、アリガトウゴザイマス。

この10年でなにが大きく変わったのかと言えば、やはり「言葉の独り歩き」のような気がしないでもありません。モチロンその一端にはメディアの多様化が進んだこともあるのでしょうが…。

いまではもう枯れたカンジさえする「2.0」と言うワーディングも、この夏から秋にかけてはハリケーン・カトリーナに勝るとも劣らない勢力でWeb Sphere上を縦横無尽に駆け抜けて行ったことは事実ですし。

単にAPI公開と言っても、既存のシステム上にどのように組み込んで、そしてどのように置き換えていくのかその具体的なフローやタイムラインの説明もなく、いきなり漠然と公開するといわれてもねぇ、それをどのように受け止めていいものやら、はたまた単なる釣りなのかなとさえ思ってしまいます。そして確かに「何だか哀れな感」と言うものが漂ってきますね。

進化論やナンチャラ2.0などと言われても、モノゴトはライフサイクルを持って進んでいくのが当然の姿なのですから、「何もなければそりゃ退化/大過なくは大過する論」に至ってしまうので、まぁ楽天さんも現状を打破したい意気込みだけはあるのだろうと、そんな風に好意的に受け止めていたりはするのですが。

でもそんな思いを吹き飛ばすかのような「外部リンク禁止」の言葉ですから。正直出店者をナメてかかっているんだと、アタシは思います。私の周りにも多々楽天の店舗オーナーさんは居ますが、同様の反応ですし。ほんと、集客力のためのハブでしかないのが実情ですから。

一気に破綻がくるのか、それとも静かに幕を下ろすときがくるのかそれは定かではありませんが、ライフサイクルで言えば、現状のままではその頂点を過ぎているのは火を見るよりも明らかですし。他者/他社が割り込み、そしてシェアを広げていくだけのスキを与えている事実に気が付いていないアタリが、楽天さんのアタマの痛いトコロだなぁと、ま、そんな風に思っております。

投稿者 Nagarazoku : 2006年11月17日 13:58

こんな簡単なことがどうしてわからないのか理解に苦しみますね.
でも,以前から感じていたのですが,楽天はあの目を覆いたくなるロゴや同じく新聞に入ってくるちらしのようにケバケバしいサイトデザインから,およそネットを駆け巡る会社としてはセンスのない,旧態依然とした企業だと窺い知れます.
プロ野球への参入についても,そのあたりの旧態依然さ(web2.0らしさと言われるものの対極にあるもの)が認められて,というか同種のイヤラシサを持つオーナー達に支持されたというのは,穿った見方過ぎるでしょうかね.
それにしても,コアとなる技術者はどう思っているのでしょうね.トップ自ら考えを改めるというのは,余程の業績悪化がない限りできなさそうですから,そのあたりの突き上げがない限り,変われないでしょう.それとも,すでに収益の仕組みを作り上げてしまったので,技術者は発言力が弱かったりして.

投稿者 yanz : 2006年11月17日 22:09

>yanz様:
コメント、アリガトウゴザイマス。

ですね、理解しがたいです。

デザインセンスは、いかにもそっち系のデザイナーを泣かして作らせ、そいつを切り刻んでいるというのが以前から見え隠れしていますしね。このあたりは、もうどうしようもない社風として定着してしまっているのではないでしょうか…。

野球の件は多くを語らずとも、当て馬候補で結局中途半端に首をつっこんでみたら、案外ウケが良かったので、なんだかそのまま流されてしまっているような、そんな印象すら受けます。ファームである仙台ではどのような評判なのか、ちょっと気になったりもしますが。

コアになる技術者ねぇ。(笑

どうなんでしょうか。まだこれからもプロプライエタリな側面丸出しで融通のきかないSolaris 8で行くんでしょうか。いろんな障害があったとは言え、Solaris 9が出てた時点で保身に回って(と言うか回らざるを得なかったがために)あえて、Solaris 8で通したコトが、今となっては仇ですね。今後Solaris 10への移行を考えているのでしょうか…、そのあたりはまだ耳に入ってきません、というかコチラも聞く耳を持ってなかったりして。

どちらにせよ従来どおりSolaris系進化型で行くとなると、エンジニアの数からしてもコストの面からしても、辛くなっていくのが実情でしょう。もちろんそれはプラットフォームをSPARC系で走ってもAMD系で走っても同じですし。かと言って、一気にLinux系への移植と言うのもエンジニアの負担や機材の確保を考えると、末恐ろしいものがありますね。

ビジネスモデルの理想形だけ追求すれば、中堅以下のロングテール層をささえるためのオンライン・コマース・フレームワークを提供するASP的な役割を担って欲しいのですが、店主を電話勧誘してまわって楽天大学を開いているようでは、だめでしょうねぇ。

折りしもAmazonがアソシエイトストアの正式版を発表した後ですし…。

全てをフルスクラッチしてRakuten 2.0βとかをリリースして並走しながら、順次既存店舗に移行を促すくらいのパワーと粘り強さと奉仕精神がなければ、今のinfoseekみたいになってしまうのは必至でしょうねぇ。(っと毒を吐いておきます

投稿者 Nagarazoku : 2006年11月17日 22:49




保存しますか?