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2006年10月17日

【 GR-Dのマグネシウム筐体が欠けていたハナシ 】

マグネシウムのコトとなると、発見者とされるHumphry Davyの方へ思考が流されていくのは仕方のないことなのだけど、果たして彼の功績が「発見」なのか金属としての単離なのかと言う部分に話が及ぶと、それはかなり微妙になってくる。Humphry Davyがマグネシウムの単離に成功したのが1808年、しかし1755年にはJoseph Blackが炭酸マグネシウムを熱分解することで酸化マグネシウムとなるコトを証明しており、この時点でJoseph Blackがすでにマグネシウムの存在を認識しており、こちらの方を「発見」とする説もあるからである。

ja.wikipedia.orgあたりでは、マグネシウムを含む6つの元素を一人で発見した化学者としてHumphry Davyに軍配を上げているかのよう書かれていたりもするが、ま、このあたりをほじくり出すとややこしくなってくるのであんまし深入りはしないようにする。個人的にアタシは「Joseph Blackが見つけた」派。一応念のため。

このマグネシウムは私達の身体の中にもある身近な存在。昨今、骨粗しょう症の認知度が高まるにつれカルシウムの摂取だけが注目されてたりするが、実はマグネシウムと一緒でなければカルシウムは吸収されにくかったりして、縁の下で私達の身体作りも支えてくれてたりする大切な存在。

もちろんそんな話題でサプリ・マニアや健康ヲタ達を楽しませてくれるだけでなく、「初代NeXTキューブの筐体は教祖様の思いいれで、当時まだ加工が難しいとされていたマグネシウム合金製だったのだ」とか一部の熱狂的なジョブズ信者にも、教祖様に先見の明があったコトを教えてくれるし、「いや、オーストリアのロータックス社は大昔からマグネシウム合金製の鋳造のクランクケースを作ってきている」など、ディープな内燃機関ヲタにも素晴らしい夢を与えてくれている。

加工技術のや合金生成技術の発達で、近年様々な分野で利用が進んでいるこのマグネシウム、軽くて丈夫で値段が張る上に「聞こえが言い」という理由から、強化プラスチックの台頭で客単価が大幅に下がりつつあるカメラ業界でも「最後の切り札」として筐体素材への採用が進み、売り上げ単価向上の一端を担っている。おまけに熱伝導が悪いので、過酷な条件下での利用が想定されるカメラの筐体には、案外「もってこい」の素材だったりするのも、採用が進んでいる理由の一つだったりするかとは思うのだが、アタシが勝手な思い込みだけで書いてるので、これらの発言には何の責任も持つ気はないので聞き流してほしい。

で、マグネシウム。

満を持して発売され、人気も衰えぬままに約1年が過ぎようとしているRICOHのGR DIGITALの筐体も実はマグネシウム(カタログ上はマグネシウムダイキャストと記されているが、「これはマグネシウム合金なのでは?」っと思っているのだが、残念ながらどのような素材かのこれ以上の詳細な記述はなかった)。カタログ上でも未塗装の筐体の写真をバッチリと掲載して、「ほれほれ、ナカナカ上物ですぜ~」感で見込み客の心をくすぐっている。

事実アタシもその仕様に魅せられて、半年以上悩んだ挙句に買った一人だ。

使用感はすでに記しているのであえて書かないが、実は先の金曜日に驚くべき発見をしてしまった。諸説入り乱れている先のDavyとBlackの事例とは異なり、これはまったくもって私一人の発見なのだが、ま、「ウヒヒっ」な発見であればこんなところで情報を共有するワケもなく、「トホホ」な発見だったので、あえてここでグチを書いてウサを晴らしているのである。

その発見とは、マグネシウムダイキャスト製のGR DIGITALの筐体が欠けていたと言うコト。

なんの前触れもなしに、なんの連絡も電話の一本もメールの一通もなしに、ある日突然、堅牢性には絶対の自信を見せていたマグネシウムダイキャスト製のボディが欠けていたのである。これを発見と言わずして、なんと言おうか。

アタシにしてはめずらしく、いつもケースに入れて持ち歩いている(一眼レフなんか、裸のまんまでカバンにポンですから…)し、別に投げたり落としたりした覚えもない。だのに、ある日ボディの一部が欠け落ちているのである(詳しくは下の写真を参照。そりゃぁもうショックでしたよ)。しかも欠落している箇所がケッタイな部位。ナンでんなところが欠けなきゃならないのか理解に苦しむ場所。液晶側から見て左下、前面ケースのあわせ部のちょうど角。

これに気が付いた時はもう金曜日の夜中だったので、手も足も出ず、週が明けるのを待って月曜の朝一番にRICOHへ電話。とりあえず見せてくれと言うので、仕事をさっさと片付けて(こういう時は、アタシの手は恐ろしく早くなる)、午後2番には東銀座のカメラサービスセンターに到着した次第。

ひと悶着くらいあるのかな、っと思っていたのだが案外アッサリとボディ交換。しかも即日修理キャンペーン中なので2時間でできると言う。こちらとしてはなんだか「アッサリ交換」では気がすまないので、RICOHさんの品質管理部門で素材への異物混入などの追跡調査をしないのであれば、アタシの方に交換前の古い前面パネルをもらえるようお願いした。

で、近所の銀座書斎倶楽部あたりをブラブラして待つことにした(その間に発生した衝動買いの成果物については、またそのうち)。とは言え2時間とはなんとも中途半端。結局1時間半程度でホゲホゲとカメラサービスセンターに戻ってみれば、修理はすでに終わっていて、なんだか知らないケド、妙に丁重に扱っていただいた。しかも交換前の筐体は追跡調査をするということで、RICOHさん預かりと言うことに。調査の結果も後日連絡してもらえると言うことで、なんとも素晴らしい対応に満足。

修理が終わったGR-Dで撮影したのが下の画像。問題の欠けた部分をアップで撮ってみた。とりあえずあまり聞かない症状なので、たまたまアタシの持てたモノがハズレだったのかも知れないが、とりあえず「ブログには書くよ」とことわっておいて撮影した。

と言うことで、全国のGR-Dオーナーの皆様、そしてこれからGR-Dの購入を検討している皆様への報告を兼ねてエントリを追加。

▼白く見えている部分が、欠けてしまって金属素材がむき出しになっている部分

P.S.
巷で最近良く耳にするこのマグネシウムだが、果たしてそれがマグネシウムなのか、マグネシウム合金なのか、その表記がヒジョウに曖昧で好きじゃない。当然にマグネシウム合金のコトじゃないかと言うのであればマグネシウム合金と書いて欲しいし、マグネシウム純金属であるというなら、そのように明記してほしい。どちらの場合も燃えやすい特性は変わりないので、できればSONY製のバッテリーを組み合わせて使っている場合には、それも合わせて明記して欲しい(これは悪い冗談だが)。

|by Nagarazoku : 00:02コメント (4)トラックバック (0)

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▼コメント(スパム対策のため、半角英文のみのコメントは受け付けていません。悪しからずご了承ください。)

Mgの発見の経緯,面白く拝見しましたが,お詳しいですね.
そのMgのことですが,Mgは単体では安定しないでしょうから,実際はMg合金ですね.アルミも全て,製品として使用されているのは,Al合金ですが,通常”アルミ”と言いますね.まあ,意図があって省いている訳ではなく,慣例というか,それがあたり前になっているからです.紛らわしいので,表記は正確にした方がいいと思いますが,たぶん表記に携わる人はそこまで知らないのではないかと思います.
写真を拝見するに,確かに妙なところが欠けていますね.端というのは,湯(溶解されたMg)の口(これをゲートと言います)があったり,型の中で湯がうまく廻らなかったり,あるいは,もろい酸化物質が溜まったり,不具合が置き易い場所ではあります.使用中に欠けたということであれば,湯廻りが悪くてスカスカだったか,もろい酸化物質が溜まっていたかですね.
それにしても,直接の持込みということもあるのでしょうが,以前から聞き及んででいたように,RICOHのサポートはさすがですね.
話が脱線して申し訳ないですが,最近,高価なデジカメが気になって仕方ありません.かといって,ながら族さんのようにアマゾンでポチッする勇気も知識もないのですが,K100D(K10Dではないです)についてどう思われていますか教えてください.安いことだけではないものを感じて困っているのですが.

投稿者 yanz : 2006年10月17日 15:21

>yanz様:
コメント、アリガトウゴザイマス。

どういうわけかマグネシウムは小学校の理科の実験で燃やした時の鮮烈な印象が忘れられず、妙にお脳の片隅にとどまっている元素なんですよねぇ。サバイバルキットの着火剤なんかにも入っていて、キャンプの時などには重宝したのを覚えています。まぁ、今から思えばなんとも牧歌的な時代でした(コドモの火遊びという点で)。

で欠けた部分なんですが、ホントに変な部分なんですよ。外からのチカラがかかりにくい部分でもあるので「型に流し込まれた素材や製法に問題があるのかな?」と思って修理に持ち込んだ次第です。それからRICOHの応対は極めて迅速丁寧でした。少々ザンネンだったのはサービスセンター自体が土日休みと言うこと、そしてせっかく銀座と言う場所にあるのに、目立たない作りになっていることですかね。確かに稼ぎ頭ではない事業なので仕方がないのでしょうが、近くには画廊街もあるので「ディープな人種がウロウロするこの地域でこんな扱いはないだろう。せっかくのopportunityをフイにしてるなぁ。」っと思ってしまいました。

件のK100D、エントリユーザはもとより、ハイママチュアでもカバーできるぐらいに良くバランスが取れた機械だなぁと言うのが私の印象です。*istD系で培ったシンプルで定評のある操作系はもとより、あえてむやみに解像度を上げず、実績のある610万画素というイメージセンサを使い処理系をキチンとブラッシュアップしたあたりも好感が持てます。

プリズムではなくペンタミラーであると言う点が気になったりもしますが、*istDLの発売以来「これならペンタミラーでも十分な明るさと視野だ」と言う声も多く耳にするので、これも個人の感覚の問題だとも思います。ミラーの方がプリズムよりも軽くできるという利点もあるわけですし。

それからK100Dと言うかPENTAXのデジタル一眼レフに搭載され始めた撮像素子シフト方式の手振れ補正(リニアモータ式のアレです)機構、これは問題に対する非常にスマートで無理のない解決方法だと個人的には感じています。高価な最新のレンズでなくとも手振れ補正が利くことでユーザが受ける恩恵と言うのは、言葉では語りつくせないものがあると思います。

こいう様々な面を見れば、やはりPENTAXというメーカの実直さが伝わってくる良い製品だなぁというのがアタシの実感でしょうか。

投稿者 Nagarazoku : 2006年10月17日 21:25

K100Dの件,丁寧に回答いただき,ありがとうございました.折角,先日キャッシュバック期間を乗り切ったところなのに,ヤバイなあ.
カメラに詳しくないので偉そうなことは言えないのですが,K100Dにしろ,*istにしろ,PENTAXの一眼レフ(RICOHのカメラにも同じものを感じるのですが)からは,作り手の真摯な思いというか,良心を感じることができます.それがモノを持つ満足感というか,愛着に繋がるのでしょうね.K10Dも予約殺到で発売延期らしいですし,よい製品がその通りに評価されるというのは,やはりコアなファンにささえられた業界だからなんでしょうね.そういうのいいですね.

投稿者 yanz : 2006年10月18日 00:29

ぉお、そういえば確かにK100Dはキャッシュバックキャンペーンが終わったばかりですね。トコロでアタシもカメラにはそんなに詳しくはありません。ハマったのも1年前からですし…。なので、余計に周辺の技術やユーザの評価を見聞きして下手を打たないように敏感になったのだと思います。

確かにPENTAXと言うメーカの製品には「クソ真面目」な面が見え隠れしますよね。それはデファクトスタンダードとなっているPENTAXの中判カメラの存在からも見て取れます。一見しただけでは派手さも真新しさも感じません、でも持ってみて、使ってみれば「あぁ、そっかナルホド…」と思わせる部分が随所にあります。それこそが、企業としての規模やマーケットシェアだけでは語りつくせない、製品に対する作り手の愛情なのでしょう。PENTAXの場合、限られた範囲(事業規模やシェアなど)で思考をめぐらせていることが、より研ぎ澄まされた製品の登場に直結してるように思えます。今風に言えば、選択と集中が得意なメーカなのかも知れませんね。

ところで、急がば回れとも言いますし、ここまで待ったのであればK100Dに関してはもうしばらく様子を見るのも得策かも知れませんよ。先のコメント返しでは書き忘れましたが、K100Dには高速なAFを可能にする超音波モータを駆動するための電気接点が用意されていません。方やK10Dにはこれが用意されています。今後登場する上位のレンズの利用を視野に入れた場合、この接点が無いということは非常に足枷となります。

今はまだ*istDL/DS2が継続販売中ですが、過去の製品ライフサイクルを見るかぎり、おそらくこれも後半年でEOLと言うところでしょう。その時点でK10Dと同じイメージセンサやこういった周辺回路系を搭載したK100Dの後継機が出てくる可能性があるのではないかと、アタシは見ています。

新品を買うにしても新古/中古美品を買うにしても、K100Dを買うにしてもK100Dの後継機を買うにしても、そのあたりがイチバン旬の時期かも知れませんね。そうなってくれば美味しい選択肢も増えているワケですし。

投稿者 Nagarazoku : 2006年10月18日 10:11




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