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2006年09月04日
【
新世界をブラブラ 】
土曜日に仕事の都合で親会社の本社に出向く用事があったので、週末を大阪で過ごした。東京の家の方には、ちょうど嫁の友人が泊りに来る予定があったので「これ幸いとばかりに大阪で羽を伸ばしてた…」と言う方が適切な表現かもしれないが。
土曜日の夜、カメラを持って新世界へ。
最近急速に景色が変わりつつあるので「知っている情景がなくなってしまう前に…」と思って行ったのだが、いきなり通天閣の灯が落ちてる。「ヲイヲイ…、それほどまでに大阪の景気は凹んでるのか…」と思いながら垂れ幕を見てみれば、電照広告のデザインを更新中とのこと。そのへんでカップ酒をあおってたオッチャンに訊いてみれば、なんでもこの10月の28日で通天閣は半世紀を迎えるそうで、内部をふくめてこの春頃から化粧直しをしているらしい。そういえば、以前きた時、すでに通天閣下の演芸場の入り口も綺麗になっていた。個人的にはアルミとガラスでできた今のものより、色あせて、どこかションベン臭さのあった前のやつの方が好きだったのだが。
そんなワケで、土曜日の夜はとっとと撤収。
で、仕切りなおして日曜日に再度ブラブラ。
昼間に改めてみて見れば、確かに新世界は脱皮しつつある。それが良いとか悪いとかは見る側の感覚なのでなんとも言えないのだが、街を行く人種が変わり、立ち並ぶ店が変わりつつある。バブルの崩壊とフェスティバル・ゲートの失敗で一度は撃沈されかけたこの界隈の経済。あまりにも急進すぎで、現実にそぐわない大阪市側の再開発計画で免疫不全に陥りかけていた、あの頃の面影は消えつつある。
15歳の頃からウロチョロしてきたので、おもえば4半世紀ばかりこの界隈を見てきたことになる。沈みきっていた80年代、バブルの余波で再開発と言う言葉だけが波紋を残した90年代。気が付いてみれば、案外イケてるとメディアに煽られはじめたこの数年。
良く見てみれば、昔からの住人の顔も見受けられるが、どうしたことか、みんなどこか変わっていく街の表情にあわせてちょっと、洒落っ気が出てきたりしている。立ちんぼのオバチャン達なんかは、髪の毛の色が明るくなり、なんだか昔より若くなったようにも見受けられるし、立ち飲みでウダウダしてるオッチャン達も、なんだか以前より小奇麗で、顔の色艶も良く、シワなんかもかえって渋く見えたりするから不思議だ。
それにしても串カツ屋が増えた。
まぁ、昔からあるにはあったがこんなに小奇麗でもなかったし、華々しく商いをしてたワケでもない。昔はと言えば、色のあせた暖簾とか建てつけの悪い開き戸なんかが、それはそれで良い風情を醸し出していたのだが、昨今は派手な行灯や電装で店の外を彩り、店内はちょっと亜細亜の屋台風というのが流行りな様子。見てみれば、カウンターの中で額に汗しているのも、大阪のオッサンではなく、大阪の兄ちゃんが多くなってる。
う~ん、本格的に変わってきたなぁ。
客層はと言えば、これまたやはり観光客とおぼしき家族連れから、デートらしき若いカップルまで多種多様。昔は新世界でデートと言うのは、ありえなかったと思うし、あえて観光するような場所でもなかったと思うのだが、不思議とみんなすっぽりと納まっているから不思議だ。それでも裏路地に入れば、昔ながらの立ち飲みもあるし、怪しさいっぱいの雰囲気も残っていて、それらが共存しているのが、これまた不思議。来る側の許容量が増えて、それに合わせて街が変わっているのか、それとも、街が変わって、来る人が増え、その中で、来た人たちがあるがままを楽しんでいるのか。
あ、そういえば「ずぼらや」の向かいの汚い食堂(中村食堂だっけ?)も無くなって、なんだか小奇麗な店になってた。やたらとビリケンさんも居てたし…。
日が高くなり始めたので、ちょうどミラ・ジョボビッチのウルトラ・バイオレットもやってたことだしちょっと新世界国際へ退避して時間をつぶす(っつうか、半分昼寝…)。この映画館の中はあいかわらず昔の新世界。それでもタバコの煙は少なくなったか…。15年くらい前、霧の向こう側にスクリーンがあったような、ま、そんなだったのだが、この数年はそこまでは酷くはないし。居てる面々もあいかわらず。酔っ払い、プロのオカマさん、お世辞にも美しいとは言えない女装の方々、二階席でから大音響で聞こえてくる誰かのイビキ、後ろの方でゴソゴソしてるホモの方達。そんな中でも真剣にスクリーンに見入っているアタシのような、これまた変な連中。この空間だけが、まるで時代から取り残されているかのよう。建物だってペンキでベタベタと上塗りされてしまっているが、良く見れば今では建てられないような古いアールデコ調の装飾が施されてる貴重な作り。
映画を見終わって傾きかけた日の中に出てみれば、空の高いこと、青いこと。
そんな空の下、JR天王寺駅を目指してブラブラと動物園の方に。夜は婆さんと晩飯を食いに行く約束をしてたので、とりあえず実家へ戻ろうかと歩き始めた。
「この先、この街はどんな風に変わっていくのだろうか…。変わったなぁと思うのは自分自身が変わってない証拠なのかなぁ」なんて思いながら。

P.S.
今になって思えば「スナップでも良いから撮っておけばよかったなぁ」と思う情景が多々ある。たとえば再開発される前の阿部野界隈だとか、戦後の面影をのこしていた大阪の情景。空堀や上六のあたりもつい数年前まで古い石垣や、土壁や漆喰の壁を持った町屋や長屋、迷路のように入り組んだ石畳の古い裏路地なんかが残っていた。今はどうなっているのかこのあたりも気になる。「この冬は(夏はなにせ暑いので…)、ちょっとそいうのを追いかけてもいいな…」なんて思ったりして。
|by Nagarazoku : 13:39|コメント (0)|トラックバック (0)|
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