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2006年08月18日

【 六本木ヒルズとExpo '70 】

六本木ヒルズに行く度に、なんだかどこかで遭遇したことのある景色と言うか空間だなぁと、以前からそんな風にずっと思っていた。デジャブのような、あぁ言う一種とらえどころのないものではなくって、本当に以前どこかで接したことのある空間。

それが何か思い出したくなって、昨日、六本木の得意先に行った帰り六本木ヒルズに立ち寄ってみた。

一昨日に引き続き、昨日も東京は降ったり止んだり、薄日が差したり霧雨になってみたりと、なんとも落ち着きのない天気。そのおかげで六本木界隈のコンクリート・ジャングルは正に熱帯雨林さながらの湿気に包まれていた。いつものように麻布署の前の横断歩道を渡ってヒルズ側へ。いつもはこのまメトロハット脇のエスカレータで2Fまで外を通ってゆくのだが、小雨が降り始めていたのと、前述のとおりのむせ返るような湿気の所為もあり、さっさと地下鉄の入り口からの連絡通路へと降りる。

吹き出る汗を止めるためにメトロハットの地下1Fにあるスターバックスで休憩。
しばし目の前のエスカレータを眺める。

もうすでに、この光景がどこかで見た景色…。わざとらしく創られた歪な空間。無駄が無理を生み出す吹き抜け構造。計算されつくされた継ぎ接ぎだらけの構造なようで、その実、本当に継ぎ接ぎだらけの安普請構造。

スターバックスを後にして、駐車場脇の連絡通路から森タワーの方に移動する。

ガラス張りのミュージアム・コーンと呼ばれる階段室の下まできて、正面のテレビ朝日前にある大天幕(ヒルズ・アリーナと言うらしい)を見た瞬間、謎が解けた。

なんのコトはない。これって大阪万博の時の太陽の塔とお祭り広場のモノマネじゃないか。利便性など一切無視された随所にある細いエスカレータは、まるで塔内部の「生命の樹」のそれだし、ハリボテと言ってもいい程の安普請さは正に各パビリオンのそれだ。歪な曲線、螺旋階段、突如として現れる天井の無い吹き抜け。

森タワーの中に入って良く見てみれば、やはりこれはExpo '70のパビリオンそのものだ。もちろん規模も違うし、やっていることも違うが、根っ子の発想の部分や見る者や経験する者にカンジさせる感覚は同じ。そりゃぁ、どこかで見たような、経験したような気がするワケだ。

1970年の大阪万博開催中は何度も足を運んだし(ハナタレ小僧だったが)、終了後は半ば放置されていたパビリオンへ、柵を乗り越えて何度も入って行ったワルガキだったし。当時の万博跡地(公園化される前)は、私のような好奇心旺盛な近所のワルガキ達の格好の遊び場と化していた。あの頃、脳裏に焼きついた全ての光景が、目の前で見ている光景とシンクロする。

いやぁ、暑い中、わざわざ時間を作ってブラついてみた甲斐があった。なるほど、歴史は繰り返されると言うが、まさかこんな処で、あの頃の光景に出くわすとは…。と言うよりも、森の爺さんは細部のディティールにこだわったと言うが、やはりそれはどこか高度成長期の日本を懐かしみ、どこかで記憶が交差する部分があったからなのか、それとも人間の嗜好がもたらした偶然の結果がこれなのか。まぁ、細かいコトはどうでもいい。ましてや、私には建築のことなど全然判りやしないし、判ろうとする意思もない。見たまま、感じたままを咀嚼するだけ。

シフト制でお盆休みを取るようにしている企業も多い様子で、歩いている人種も平日のそれとは違っていた。人出の方もいつもより若干少なく、かといって、週末のように遊びに来てる人が多すぎるでもなく、丁度好い感じで好かった。

目の前にある空間に何か感じたとき、こんな風に、曖昧な記憶の海の中を地図も持たずに漂ってみるのもいいもんだ。これで新しい遊びを一つ覚えた。暑い一日だったけど、ちょっと得した気分だった。

|by Nagarazoku : 00:05コメント (0)トラックバック (0)

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