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2006年06月25日

【 干し椎茸と干し蝦で出汁 】

素麺は独断と偏見で揖保乃糸。もちろん到来物の場合はどんなものでも遠慮なく頂戴して楽しませてもらうが、自分でカネを払って買うのは揖保乃糸だけ。当然懐に余裕があれば金帯指定(近年は金帯も百貨店の食品売り場なら特売で積まれるコトがあるしサ)。

実家を離れたばかりのハナタレ小僧の頃は当然にカネなんぞ持ってなかったから、スーパーで特売されている中でも選りすぐって安物のソーメン(なんちゃら製粉のヤツとかね)を買っていた。だがやはり麺に腰がないと言おうか、根性が無いと言おうか、やる気を感じないと言おうか、ハッキリ言って食う側のキモチを理解していないと言おうか、ナンと言うか清涼感を演出しようという心意気が感じられない。

夏場に食う素麺で清涼感を味わえないのであれば、駅前の立ち食いウドン屋で、汗をかきかき「素うどん」をすすってる方が100万倍くらいマシだと、数々の「安物買いの銭失い」的な失敗を乗り越えて、やはり揖保乃糸以外はダメだと言う結論にたどり着いたのだ(毎度大げさだな…)。

っとまぁ偉そうに言ってるケレド、子供の頃はソーメンが嫌いだった。

そりゃそうでしょう、今時の家庭の食卓に並ぶようなおゴージャスなソーメンないざ知らず、アタシの子供の頃のソーメンなんて色気もナンにもなかったしぃ。ガラスの器に入った氷水の中に泳いでる白くて細い麺。たまぁ~に色気があっても、それは赤色▲号的発色の缶詰サクランボだったし。

ソーメンを食う時の唯一の楽しみは「干し蝦」。

つゆの中に薬味と一緒に出汁を取った後の干し蝦が入ってる。干し蝦なんてそんなに沢山使うワケではないので、せいぜい5つ6つしか入ってないのだが、それでもそいつを噛み締めていると(大阪ではこういうのを「しがむ」と表現しますな)、えも言えぬ旨みと香ばしさが口の中に広がり、思わずボ~っとしてしまうコトもしばしば。

そんなワケで、これも独断と偏見なのだが、素麺つゆはと言えば、干し蝦と干し椎茸で出汁をとったヤツに限る。

しかしだ、断言したものの、そんな贅沢なもんはもう四半世紀ばかり食ってない。食ってないとなると余計に食いたくなる。で、作ろうと思ったのがレシピを知らないから作れない。そういう時はネットで調べるよりも生き字引を使うに限ると言うコトで、昨日の朝、起きぬけに養母に電話をかけた。

「どないして作っててん?(どんな風にして作ってたの?)」と訊けば、干し椎茸と干し蝦を一晩水戻ししてから、戻し汁を火にかけて塩と醤油と味醂で味付けするだけだと言う。昆布も鰹節も砂糖も一切使わないと言う。

しかもなんの変哲もない味付け…。

何度訊いても作ってた本人がそれだけだと言うので間違いはないのだろうが、なんだかもっと奥ゆかしい味だったので、ちょっと拍子抜けしてしまった。「戻し汁捨てたらアカンで、ソレが出汁なんやから」っと、更に念押しまでされてしまった(んなコトわかっとるっちゅうねん。汁捨ててどないすんねんな…)。

材料も作り方もわかったので、とりあえず本日の晩にでも試してみようと、土曜日の夕方から仕込みを開始。これをタイプしている現在、冷蔵庫でじっくりと出汁が熟成中デス。その出来上がりは如何に?

とりあえず干し椎茸と干し蝦

P.S.
子供の頃に麦茶と間違って素麺つゆを一気飲みして、エラい目にあったコトがある。

アタシが子供の頃、実家の台所には大きな蓚酸(しゅうさん:蓚酸アルマイト加工:硫酸皮膜よりも蓚酸皮膜の方が耐食性、耐摩耗性に優れている)の大きな鍋があって、冬は「おでん」などの煮物に、夏は麦茶の煮出しに活躍していた。
小学校に上がったばかりの年の夏休み、午後3時頃だったか外を走り回って遊んで帰ってきて、そのまま台所に直行した。何か飲むものは無いかと物色してたワケだ。冷蔵庫は養母の聖域だったので勝手に開けると叱られる。目に入ったのはガスコンロの上の大きな蓚酸の鍋。中を覗けば、冷めた麦茶らしき液体が…。不精をこいてそのへんのコップを突っ込んで中の液体をすくい上げて一気飲みしてみれば…。それは、かなり濃い状態の素麺つゆ。

思わず咽て壁に吹き出してしまった。
古い家だったので台所の壁は漆喰塗り。しかも塗り替えたばかり…。

白い漆喰に広がってゆく醤油染み…。
外は蝉時雨。どこか家の風鈴の音。高鳴る心臓の音。
「何事か?」と、居間から養母が走ってくる足音。
額から噴出す冷や汗。

いやぁ、いい思い出ですな(嘘)。

何事もあわててしたり、不精をすると後が大変と言う見本みたいなモノです。当然養母の逆鱗に触れ、その晩帰ってきた親父からゲンコツを頂戴したコトは今でも忘れられません。しかしまぁ、アノ頃はよくあれだけ毎日怒られるネタをアレコレこしらえたもんだと、自分のコトながら関心しますヨ。

|by Nagarazoku : 00:00コメント (0)トラックバック (0)

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