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2006年06月10日
【
Passo Dobleと「女のワイン」マークの謎 】
アルゼンチンと言えばタンゴである。
ちなみにアタシは子供の頃タンゴが嫌いだった。どういうワケか親父は自分の車に早い時期から
8トラのステレオを装備していて、そいつでいつでもタンゴをかけていたから。幼稚園の行き帰りに、ヘビーロテーションよろしく常に聞かされていた。音楽のための情操教育にでもなれば良かったのだろうが、アタシにはそういう効果は一切現れなかった。バンドネオンの音だけが耳に残って、幼心にもひじょう~にウザかった。今となっては別にタンゴのコトは嫌いでもナンでもない(今月は親父の祥月ってコトで、ちょいと評価を上げておく)。
アルゼンチンと言えばタンゴであると言うことには一般論としていささかの誤はないと思われるが、今日のお題目とタンゴはなんの関係も無い。関係してるのはアルゼンチンと言うお国のワインのコトだったりする。

何ヶ月か前、Stag's Leapをネットで買い漁っている時、某ネットショップで小洒落たエチケットのワインを目にした。解説を読めばイタリアの会社が出資だか進出だかして手がけてるアルゼンチンのワインと言うコトで、なかなか良いとのコト。もののついでと言うことで1本買っておいた。以前にも書いたが、アタシはワインのコトなど良くわからない。飲んで美味いと思えばそれで良いだけのグータラな一消費者に過ぎず、その基本姿勢を全うすべく、銘柄やら作り手やらの名前は「なるべく」覚えない。だからこの時小洒落たラベルだなと思ってMASIのエチエケットを見ていても、名前やら綴りやらはすっかりアタマの中から消え去っているのである。覚えているのは、なんとも特長のある「緑」のラベルの色と手書き風の書体で独特の書体だけ。で、届いた件のワインはそのままセラーで寝ている。「イタリアの有名な作り手なのに…」とか言われても覚える気すらさらさらないので仕方がない。このエントリをタイプして、ようやくMASIのことをうっすらと意識にとどめ始めたくらいなのだし。
だから一昨日嫁と出かけた際に、近所のワインショップでよく似たエチケットのワインを嫁が手に取った時も、「あぁ、あのワインか…」と早合点してしまった。しかし聞けば例のソレとはメーカが同じでも
格下のワインだと言う。しかしお手ごろ価格でお店でもお奨めだと書いてあるのえ1本買ってみないかと言う。ナルホド面白そうだとアタシも思い、買って帰った。
晩飯の時に開けて飲んでみたのだが、これがめっぽう美味い。独特の重みがあるとでも言うのか、どっしりとした味が好きな人にはけっこう受け入れられるのではないかと思える。後ほど嫁がネットでグルグルと調べてみてくれたのだが我々が買った値段が底値なようで、一番高くても2,500円前後。2,000円以下でもけっこう流通している様子。メーカーのサイトによれば製品の特長は:
The double fermentation of Malbec grapes with a percentage of lightly dried Corvina grapes gives this wine a rich aroma and good structure. Elegant tannins and softness combine to produce a superior wine with long ageing potential. Passo Doble is ideal with a range of foods: particularly red meats, game and strongly flavoured cheeses.
[ PASSO DOBLE - MASI TUPUNGATO@www.masi.it ]
と言うことらしい。ホゲ訳してみれば:
軽く乾燥させたCorvina種の葡萄を、Malbec種の葡萄へわずかに加えて二重発酵(double fermentation)させることで、このワインが持つ芳醇な香りと独特の味が生まれます。エレガントな渋みと繊細さを併せ持ち、長期のエイジングで更に洗練されたワインへと成長する可能性も秘めています。Passo Dobleは様々な料理との組み合わせが考えられますが、特に赤身の肉やジビエ、そして香の豊かなチーズ類などとの相性は格別です。
ってなカンジ。double fermentationの説明ページにも書いてあったけど、遡って考えをめぐらせてみればさすが奇才の多いイタリアらしいと言うか、これはなかなか一定の品質維持や製造コスト面でもバカにできない製法な様子。で、このMASIがアルゼンチンで展開してるのがMasi Tupungatoで、嫁とアタシはPasso Dobleを飲んだってワケ。
伝え聞くところによれば、アルゼンチンは世界で五本の指に入るワイン産出国だそうだ。しかしながら国内消費量が多く、海外に輸出されている量は全体の10分の1しかないと言う。単純に考えてみればそれは呑み助な国と言うコトである。しかも、あまり外に出したがらないということは、けっこう美味い酒なんぞをカップに注ぎながら「うひひっ!」と悦に浸っている国ではないのかと言う妄想さえ生まれてくる。Passo Dobleを飲んだ後ならなおさらにそうだ。
ま、そんなアタシの妄想はさておき、そのPasso Dobleの瓶の後ろに奇妙なマークを見つけた。それが「
女のワイン」マーク。
妄想つながりであらぬ妄想なんぞ抱かれても困るので補足しておくと、「このマークは、女性が女性の感性でワインをプロデュースしているワイナリーを表します」とマークの横に書かれている。読んでみて「にゃるほど」と一応納得してみたものの、やっぱりなんだか良くわからないのでゴソゴソを調べてみたら
駐日欧州委員会代表部のサイトの奥の方、
広報誌"ヨーロッパ"の2002年の夏号の中にそのルーツを見つけた。
この
2002年の夏号のノンブルの21ページ目(実際は22/33)がそれ(このPDFのこのページにはキャンペーン詳細を説明していると言うURLの記載があるが、現在は使えない、っと言うか凍結ドメインになってるからこれ以上調べようがないし)。しかしこのページを読んでも、マーク自体が生まれた経緯は理解できるのだが、なんでPasso Dobleにこのマークが付いてるかが判らない。
アタシはこういうのがダメな性質である。
あともう少しなのに、こんな風に糸がつながらないっていうのは、まるで出かかった「う▲こ」みたいで(汚いな…)、気になって気になって仕方がない。
「いっそ輸入元に電話して訊いたろかっ!」と思ったのだが、「まさかそこまですることないよね」と、一瞬は大人の理性を取り戻し、しっかり30秒後には輸入元のHPの会社概要から連絡先を調べ電話をかけていた(っつうか良く見ればケッコウ近所だし…)。
で、斯々云々とこちらの疑問を伝えてみた。するとこれがまぁ良くできた会社だこと。実にキモチのいい応対で、アタシが疑問に思っていたことを立て板に水ののごとく答えてくれた。カナリ尊敬しちゃいましたよ、この電話に出てくれた日欧商事株式会社の社員の方を(しかも変なオッサンの実にナローな話題に対して)。
いただいた答によれば、マークの形こそ同じものであれ、これは欧州云々のソレとはまったく関係のないマークとして現在同社で輸入しているワインの中で、女性がプロデュースしている付けられいるというもの。MASIのHPでは女性の名前なんぞなかったんだよとアタシが訊くと、オーナーのSandro Boscaini氏の娘のAlessandra Boscainiさんがこのワインをプロデュースしてるので、このマークが付けられているとのコト。
イタリアのテキトーさでテキトーに付けられてるとか言われないで本当に良かった。マジでその展開をチョト心配してたりもしたのだ。だってエチケットだってMASIのHPに掲載されてる物と違ってるくらいだしサ。いやぁ、「女のワイン」マークの謎を解き明かしてなんだかスッキリしましたよアタシは(電話かけて訊いただけだけどね…)。
ところでこのPASSO DOBLEどのくらい美味いかと言うのは言葉では言い表しにくいのだけど、あの値段で売ってて売り切れたらイヤだとばかりに4本ばかり買い足しておこうと、出不精のアタシがこんな雨の強い日にわざわざ傘さして買いに出かけるくらい美味いのである(よけいに判りにくいか…)。ちゅうコトで証拠写真もパシャリ。

|by Nagarazoku : 00:01|コメント (0)|トラックバック (0)|
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