≪ PENTAXの1000万画素デジイチ |メインページへ戻る| 折り紙プロジェクトって… ≫
2006年02月28日
【
100年前のバカラ 】
1936年以降のバカラの製品には、底面にエッチングによるマーキング処理(発情期のソレではないので念のため)が施されている。それまでは紙のシールっぽいのが底に貼られていたとされる(同社のサイトによれば)。
一部では1937年以前のバカラはロゴが入ってないととかロゴな無かったとか語られているが、紙でマークを貼ってあったので「ロゴが入ってない」とか「無かった」じゃなく、流通上それでOKな時代(コスト面、技術面での課題も含めて)だったというのがホントのトコロっぽい。
件の紙のマークは1860年に締結された英仏通商条約(コブデン条約)以降、「パリ商法」に基づく登録商標として申請されたものだそうで、同じく同社のサイトによれば、パリ商法における第一号登録商標なのだそうだ。世界史にも疎いし、パリ商法どころか日本の商法すら民法の特別法だと言う程度にしか知らないので良くわからんのだが、とりあえず引用して書いておけば偉そうに聞こえるので、判らんなりに引用してみた(っつうか、スゴイ論理だ…)。
ところで、アタシはガラス面のエッチング加工は嫌い(ヲイヲイ…、言い切るなよ)。
嫌いと書くと語弊があるので、言い方を変えてみれば、ガラス面のエッチング加工には、いまだ惚れたモノがない。上述のロゴのマーキング処理などには適切だとは思うのだが、装飾的な模様を刻むために施されたエッチング加工は、なんだか薄っぺらにしか感じない。レーザーを使ってアクリルやガラス面に模様を刻むコトができるが、アレに似た安っぽさを感じてしまう。
もちろん、その技法や技術が受け継がれ現在に至るまで辿ってきた試行錯誤の過程や、現場を支えている熟練の技は敬服に値するものだと思うのだが、その仕上がりの均一さが災いしてか、作品の方は妙に薄っぺな印象を持ってしまうのだ。
工業製品なのだから、安定した品質で安価に良いモノ云々を意識したら、当然に避けては通るコトの出来ない道とは言え、こいつばかりは好みの問題だからどうしようもない。銅版画でアクアチントが好きだとかメゾチントが好きだとかと言うのとは、チョト違うような気もするし。
とまぁ、ワケワカなコトをゴチャゴチャと書いても仕方がない。
ガラス面のエッチングに魅力を感じないのは、たぶんハンド・グラヴュールやグラスリッツェンの持つ不器用さに惚れているからかもしれない。その不器用と言おうか、その「ゆらぎ」に、ヒトの手の「ぬくもり」を感じさせられるのだ。
先日、ゼツェッシ ョンの作風を思わせる模様が刻まれたオールド・バカラを手に入れた。細工はもちろん手彫り。彷彿させる模様のとおり、作年は1900年前後。実は、それを扱っている店で以前見た時、その模様と細工には一目惚れしたのだが、グラスの形があまり好みでなかったのと、その時はこれとは別に瀟洒なフォルムの
シャンパン・フルートを買ったので、こちらの方までは手が出なかったのだ。その時は「まぁ、いいか」程度でそのまま忘れてしまうつもりだった。
ところが時間が経つと、妙なもんで気になってくる。そんなワケで出張で大阪に帰っていた折、新幹線の時間まで少し余裕があったのでその店を訪ねてみたのだ。どうせ、もう残っていないだろうと思いつつ。そうすると、以前と同じ場所に、同じように2つ並んで飾られているではないか。まるで待ってたかのように。
じっくりともう一度眺めてみる。やはりバカラにしては稀有な模様と細工。
せっかく待っててくれたことだしと、購入を決め、送ってもらったのだ。
そんなワケで、我が家に来るまで3ヶ月ばかりかかった。
その店の人のハナシによれば、当時の定番製品ではないので文様の特異性や細工の「いびつさ」も含めて、ドコかのダレがオーダーしたワンオフものが流出したらしいとのこと。当時のグラスの大中小の大きさから推測するに、これは一番小さいもので、白ワイン用らしいと言うことと、他に中と大、それぞれ赤ワイン用と水用がどこかに(戦火を免れて残っていれば)存在するであろうと言うコトを教えてもらった。
ここまで聞けば、なんだかこのグラスの兄弟を探してやりたくもなる。
100年の時を超え、戦火を生き延びてきた強運の持ち主だ。きっと兄弟もゲンキでどこかで使われてと思いたい。果たして、ヘナチョコなアタシがその兄弟達を見つけられるか、運もあるのだろうが、そっちの気合の方がかなり問題な気がしないでもないんだが…。

|by Nagarazoku : 00:00|コメント (0)|トラックバック (0)|
トラックバック・スパム対策のため、このBLOGへのリンクを持たないページから送られたトラックバックは自動的に拒否されます。悪しからずご了承ください。
また、このエントリと全然関係の無い内容のページからのトラックバックは、アタシ的な判断で勝手に削除します。これも又、ご了承くださいマセ。
■このエントリーのトラックバックURL ≫ http://www.nagarazoku.com/mvt/mt-tb.cgi/480