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2006年01月16日

【 「格差」なんぞ活かせば良かろう 】

しのびよるネオ階級社会」と言う新書本が手元にある。

著者は「欧州ジャーナル」の初代編集長である林信吾氏。この本の値段は740円。サックリと、読み物としても楽しめて、良くまとまった内容。特に、あとがきに書かれていた:
貧富の差はもちろん少ないにこしたことはないが、賢明に働くことの動機付けという意味では、成果をあげた者ほど大いなる報酬を得るということは、あってよいのではないか。
については、正直、まったくその通りだと思う。

もちろん読み方、受け取り方で反応は様々だろう。横並びと呼ばれた高度経済成長期以降の日本の社会形態の復活を断固熱望し、こんな内容なんぞは完全否定であるという方もいらっしゃるだろう。しかし「働いた分、努力した分よこせ」と言うのは当たり前な話で、たぶん横並びを希望される方だって、報酬横並びで過度の労働を強いられることは望んいないはず。そういう意味で、「賢明に働くことの動機付けという意味では…」の部分に、日本人が忘れている何かを感じる。

昨年来、いや、一昨年来からなにかとあちらこちらでネタになっている二極化(負け組み/勝ち組表現含む)のハナシを聞いていると、結局のトコロ「だからナンなの?」と言う気持ちになることも少なくない。

昨今の階層化話、茶化して、ネタにして「結局のところだからナンなの?」な話題が多すぎ。そしてここ15年ばかりの日本を見てて、上流やら下流やらよりも、やるコトをやらずにゴチャゴチャと言う輩がムチャクチャ増えたなと思う。失われた10年なり15年の後遺症かとも思えるが、もともと失われる以前に、失われたとされるものが砂上の楼閣であったコトを認識できてない輩ほど、見たこともないそんな楼閣に憧れる輩ほど、この傾向が強いような気がしないでもない。

不安に思ったり、甘んじてその位置に居てるコトに満足できないのであれば、まずジブンが努力すれば良い。ナンだカンだ言ったところで、日本なんてまだまだ本人のチカラで、ジブンの生活くらいなんとか改善して行ける「余地」が残されている社会なんだから。そして、そういった行動を取ることそのものが、将来の社会のあり方を変えてゆく原動力になると思う。

ナニを「幸せ」と定義するかは各個人の自由であるとしても、「幸せ」を感じたいとか、「幸せに」暮らしたい、「幸せ」になりたいと言うのはニンゲン様の勝手な「思い」なんだから、勝手に「思う」以上、それを全うするために努力するのは「思う」ヒトの義務なのではないかと常々思っている。「幸せ」を思う権利が認められているからと言って、反射的に全知全能の神なりミラクルなりが「幸せ」を運んでくれる青い鳥として機能してくれるコトなんぞ無い(ま、権利ばかり主張する者ほど、義務を怠るのは世の常と言う見解もあるが、この際割愛)。

そもそも日本国憲法の12条から14条の本文あたりかけては、次のようなコトが書いてある:
第12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
憲法の「国民の権利及び義務」のあたりにコレが書かれていると言うことは、過去の歴史の中では、自然の流れに任せておくとそうでない方向へ流れることがあったと言うコト。だからこそ、「オマイらの手でなんとかできるように"最低限の線引き"はしとくぞ、オラ!」なワケで、憲法様も「これ以上は自分らで何とかすれ」と言ってるワケだ。

望んでいるコトがあるのであれば、ゴチャゴチャ言わずにサッサとそちらの方向へ舳先を向けて船を進める準備をする。もちろん天候やら風向きで出帆できないなり、いざ出帆しても航路を大きく逸れてしまうコトも難破してしまうコトなりもあるだろうが、んなもんをヤル前からゴチャゴチャ言ってても仕方ないのである。

「格差」があるなら、「格差」が広がりつつあるなら、あえてソイツを活そうと思えんのかと、そんな風に考えてしまう今日この頃だったりする。だから日本がダメなんだとは言いたくはないが…。

|by Nagarazoku : 12:38コメント (0)トラックバック (0)

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