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2005年12月24日
【
ノエルなら好きかも 】
街はすっかりクリスマス色、一色に染まってる。
って言うか、どんな色なんだ、クリスマス色って…。
女性が男性に期待するプレゼントの金額なんていう下らない統計まで出回る始末で、「だったら男性から女性に期待する金額の扱いはどうなってるんだ?」なんて下らん考えにアタシも引き込まれてしまう次第。
別に敬虔なクリスチャンじゃないし、敬虔じゃないクリスチャンでもないし。子供の頃の「楽しかった」クリスマスの思い出なんてのもないし。クリスマスなんて全然好きになりません。シャクに触るって言えば、ドコに行っても耳につくクリスマス・ソング。昨日なんか、ジムでも流れてて、「この曲を聴きながら運動するんですかい?」って思ってしまった次第です。たぶんクリスマスの後には邦楽を流してお正月ムードを高めるのでしょう、このジムは。
それから目障りって言えば、町中ドコに行っても目につくクリスマスの飾りつけ。それから、植木屋の前の赤い鉢植えです。最近は緑と赤だけじゃ物足りないって言うのか、差別化を図ろうなどと上っ面だけの画策のおかげで、青くてキラキラとした飾り物も街中で増えてますね、寒々しいのに…。
とまぁ、クリスマスが近づいてくる出銭もグチも増えるアタシなのですが、クリスマスなんて好きじゃないと言いつつ、一度だけ、しみじみと「良いなぁ」と思った経験がある。
正確に言えばクリスマスではなく、ノエルだったのだが…。それはミディ・ピレネー地方、オート・ピレネー県にあるルルドと言う田舎町で迎えたノエル。と書いトコロで別にバカンスでも巡礼でもなく、何気無く訪れ、滞在した数日の間が、たまたまノエルだっただけなのだが。当時はまだサラリーマンだったので、仕事の手が空き始めた年末前に旅行に出ただけなので(年末年始の休暇を使わないあたりがアタシっぽい)、本当に企てたワケでもなく、偶然のデキゴト。
季節はずれでフランスでの国内線も飛んでおらず、片田舎なもんだから列車の直行便もなかった。とうぜん日本でメジャーな地所でもないのでツアーでもない。その上アタシはフランス語の「フ」の字も読めないしゃべれない。切符を買っていたハズの途中の乗り換え列車は存在しないし、帰りの列車はハブとして機能するパリ経由の国内帰省客にもみくちゃにされるわで、質実共にケッコウな旅だったのだが、その所為もあってか、良い思いでだけが強調されて記憶に残っている(ニンゲンとはかくも自分勝手な生き物)。
で件のルルドだが、その存在を知ったのは小学校の低学年の時。
社会科の授業の付属教材か何かに、モノクロ写真付きでフランスに奇跡の泉があるというコラムが載っていた。「奇跡」である。「ムー」世代でなくても「奇跡」と言うコトバには惹かれる。しかもこういった奇妙なコトに対する好奇心だけは人一倍旺盛なもんだから、機会があれば行ってやろうと、何気にずっとその地名と「奇跡の泉」と言うコトバだけは覚えていた。この熱意をもっと他のコトに生かすことが出来たなら、アタシも今時分こんなショボいweBLogなんぞにエントリを追加しておらず、バンフあたりの別荘でのんびりとバカンスシーズンを楽しんでたのにと、今更ながらに後悔する。
時が流れて、テキトーに好き勝手してきてロクな学歴もない割りにそれなりにサラリーマンになってたりして、懐具合も悪くなくなってくると、邪念が生まれて幼少の頃の記憶にある彼の地を訪れてみようではないかと、当時会社の慰安旅行を担当していた旅行会社を泣かしてみたワケである。泣かしたおかげで、予約していた列車が無くなってたりして、現場で車掌に直談判してルルドまでたどり着いたワケなのだが、とにかく、到着した日が12月の24日だった。
宿に荷物を放り込んで、街に出てみればなんとも控えめなイブの雰囲気。田舎町なので、当然人口も限られていて、人影も多からず、少なからず丁度良い具合。街に出たのが夕方時分で、学校帰りの子供達を乗せたスクール馬車(バスではなく馬車だ!)が鈴の音を響かせながら通りを横切ってゆくのを見たり、休みの間の食料だろうか、大きな荷物をかかえた買い物帰りのオバサン達とすれ違ったり、歩道の脇にトロ箱を積み上げて牡蠣を売る露天商に引っかかってみたり。各店舗のノエルの装飾も控えめで、風情がありながら、それでいて俗化されていないノエルと言うものを体験できた。コチラとアチラではない、言ってみれば溶け込むことができる雰囲気とでも言おうか。
明けて25日は元旦みたいなもんで、街もひっそり、目抜き通りにあるマクドナルドも当然休み。空いてるのはカフェが1軒と、街の炊飯器的なパン屋が1軒だけ。静まり返っている街の中を、石畳を踏みしめて歩けば、本当のクリスマスっちゃぁ、こういうもんなんだろうなぁと、実感。ホテルで食った晩飯もクリスマス・ディナーとやらとは毛色の違う、簡素なムニュ(と言うか、それしか無かった…)だった。ビーチサンダル大に大胆にカットされた、地元産の分厚い生ハムとパン、それからスープと温野菜、そしてデザート・チーズだけ。クリスマスソングも流れず、派手な飾りつけも無し。
そういう風なノエルを経験して、アメリカ式、日本式の商売っ気タップリなクリスマスとは大違いで「しみじみ」と良いなぁと思ったのだ。クリスマスって言えば妙な先入観があって苦手だけど、あんなノエルならけっこう好きかも。
ま、書いてみればこれだけのコトで大したコトないとも見て取れるのだが、ノエルにルルドとは、なんともまぁ奇遇と言おうか、ついでだからヌケヌケと世界最大級の地下礼拝堂やらパイプオルガンやらも拝ませてもらってきた。もちろん奇跡の泉(と言うより水の滴り出る壁だな)も忘れずに前まで行って、信者でもないくせに神妙な顔して後遺症持ちの左足にジーパンの上から水をかけてみて、あわよくば奇跡も狙ってみた。当然マリア様はそんな下心はお見通しのようで、ナニも起きなかったワケだが…。
"the miracle is always there if you will just open your eyes"っちゅうコトバもあるので、気長に目を見開いておきたいと思っていたりもする。
ま、フランス語もしゃべれず、列車は片道切符しか持たず、オフ・シーズンに宿も予約せずで、無事にあんな片田舎まで予定通り行って帰ってこれただけでも、奇跡だったようなもんかも知れんし。
じゃ、とりあえず、"Joyeux Noël"ってコトで。
|by Nagarazoku : 00:00|コメント (0)|トラックバック (0)|
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