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2005年11月18日
【
Stag's Leapのコトを少し 】

ほぼ脱稿しかかり状態。お脳の方は、もう絞っても何もでないボロ雑巾状態。でもまだやっつけたモノを読み返してないので、これから60ページばかり通して読まなきゃならない…。
ってなコトを思ってたら電話が鳴った。見覚えのない番号。
出てみればネットのワイン屋さん。「まことに申し訳ないんですが…」で始まり、ハナシを聞けば今夜届くはずの品物を、佐川さんが破損したと言う。一瞬冷や汗…。頼んでたのは1992年のビンテージ。もうそろそろまともな流通在庫が無くなる。確か頼んでおいた店の在庫も1本だか2本だかだったような…。幸いにもそのお店には同じモノの在庫がまだあって、明日着で届けてくれると言う。アリガタやアリガタや。
以前のエントリにも書いたように、嫁が70本ばかり入る中型のワインセラー(要するに湿度管理できる冷蔵庫だな)を買った。買ったのは良いが、さすがに中身までは付いてこない。無駄に通電しててもシャクなので、この際だから埋めてみたいような気もして、仕事で机に縛り付けられている鬱憤晴らしも兼ね、合間合間の休憩時間にオンラインで欲しいモノを物色してたワケだ。
と言っても、以前も書いたとおりワインの知識なんぞアタシには無い。下手にあるより無い方が無知をさらけ出して、何かと会話のネタにも困らず面白いのであえて放置。
ま、そんな状態でもクチにして美味かったなぁと思うヤツは、なるべくうろ覚え的に記憶の片隅にとどめておくようにはしてたりする。Stag's Leapもそのうちの一つ。ちなみにナニをトチ狂ったか、アタシはアタマの中で最近まで「スタッグ・スリーブ」だとばかり思い込んでいた。ウロ覚えなので、この手のマチガイも面白いといえば面白いのだが、時と場合によっては赤面を覚悟する必要はある。
で、とにかくStag's Leap。
サンフランシスコに住んでた時も、今と変わらぬ自分勝手な生活時間帯を維持し朝の10時ごろに事務所に行っちゃ、3時頃には事務所を後にして(時には夜学があるからとかナンとかイイワケをしてサ)たのだが、だいたいそんな時間帯にイースト・ベイを
BARTに乗って出るとシティ(サンフランシスコ市内)に入るまで30分。モンゴメリ駅で降りて、ギャリー・ストリートとマーケット・ストリートの交差点までブラブラ歩いて、そこから出る38番のバスに乗る。で、そのバスを乗り換えるのはジャパンタウン。分不相応にも、当時住んでたのがパシフィック・ハイツだったので、そこからは22番のバスで
フィルモア・ストリートを上がる。
定期券もあるしバス代もかからないのだから素直に上がれば良いのだけど、ナニブン時間には余裕があるので、そのままブラブラと自分の足で歩いてみたりするコトも多かった。途中の骨董屋に寄ったり、本屋に寄ったり、文房具屋に寄ったり、パン屋でパンを食ってみたり、カフェの外の席を陣取って偉そうに本なんぞを読んでみたり、となりの席の人の連れている犬と遊んでみたりと、インターネット・バブル花盛りな世紀末を謳歌していた。謳歌していたと言えばなんともお気楽に聞こえるかも知れないが、個人的な財政面ではカナリ緊迫したムードも漂っていたので、お気楽にさせるフィルモアストリートの「通り」性格に流されていただけかも知れない。
そんなある日のコト、ナニを思ったのか調子をコイて通りの中ほどにある酒屋(この店:
D&M Wines and Liquors)に入ってみた。無謀とはコノコトを言う。タダでさえワインのボトルに書いてあるコトは良くわからん。判るのは数字ぐらいだ。値段と年。色は見ればわかるが、葡萄の品種すらナニがナニやら良くわかってない。判るのは常日頃から連呼している「カベルネそ~びにょん」と「フルボディ」だけ。
なんとなぁ~く店員さんに話しかけられないように、それらしいフリをして店内を物色する。当時のアタシは長髪ヒゲ面、見るからになんとも怪しい東洋人。そんな容姿のせいか、店員も声をかけそびれていた。くわばら、クワバラ。

と、足元の木箱に平積みされている中から、なんとなぁ~くコチラを見ている視線を感じる。「ん?」と思って目線を落すと、具象タッチの鹿のペン画が書かれたボトルがある。しかも、ラベルにはデカデカと「FAY」とか書いてある。なんかの略なのか、それともフェイと読むのか、皆目見当も付かない。とりあえずボトルを手にしてみると、アタシの好みの「カベルネそ~びにょん」で「フルボディ」らしいコトは読み取れた。値段も手ごろ(彼の地ではね)。
手ぶらで出るのもナンだし、レジに持って言って「このフェイはどうだ」とかナンとか言ってテキトーにカマして見ると、店員曰く「アブソルートリィにイケルぜ」と言う。「重いか」と聞くと、「まだ若いがソレナリに重いぞ」とか言う。後は適当に会話を合わせて、1本ばかり買ってみた。
それがStag's LeapのFAYだったワケだ。
家に帰ってから飯の時に飲んでみたら、これが思っていた以上に美味い(って言うか、美味くてアタリマエなので、この文章の内容だけで、いかにアタシがワインの知識が無いかを曝け出してるようなモンである)。そりゃそうだ、普段飲んでるのは台所にある料理用に買ってあるダンボール箱に入った(レストランなんかにあるやつね)超安物の酒だし、美味く感じないワケがない。
美味かったコトは覚えたのだが、肝心のFAYがナニかも調べず、なんとな~くStag's Leapって名前を「スタッグ・スリーブ」と言う誤ったカタカナで記憶の片隅にとどめたまま、日本に舞い戻ってきた。
舞い戻ってきてウダウダしてるうちに5年が過ぎた。
この5年の間に、Stag's Leapを酒屋なんかで見かけるようになったが、彼の地の値段からすれば法外な値段が付いてたりする。法外な値段だけど、買えない値段ではないってトコロが難しいトコロで、結局買わない内にどんどん時間だけが過ぎて、値段だけはどんどん上がっていってしまってるような気がする。

もちろん2000年以降のモノは普通にあるし、高い高いと言っても、彼の地の倍の値段程度には落ち着いているような気もする。しかし、あの時飲んだ1996年だか1997年だか1998年だかはモノ自体がそろそろ見られなくなって来ている。
我が家の酒蔵大臣を歴任している嫁に聞けば、Stag's Leapはカリフォルニア・ワインをカリフォルニア・ワインたらしめた代表的な地名であると言う。アタシは思わず「ほう?!」なのだが。で、Stag's Leapにもイロイロな作り手が居てるという。アタシはますます「ほう??」である。
内田先生流に言えばアタマ悪いのでワカリマセンとなる。「アタマ悪い」と言う言い方も、こういう風に使えば自己防衛的にも使えるので重宝している。
とにかくアタシにとってのStag's Leapは、あの「鹿の絵」の書いてあるヤツなのである(スゴイ表現でごめんなさい)。
で、ネットでゴソゴソと調べて、お友達が来た時なんかに、みんなで飲めれば良いと思って1990年代のヤツをポロポロと買ってみた(そろそろ来年払う税金のコトを考えて、帳面上の駆け込み需要をカマす必要があったりもする)。買った後で、嫁にメル(チャットが無くなった後、我が家でコミュニケーションの重要な手段の一つとしているのはメルである)したら、「ドコのナニを買った問われた」。問われたところでコッチは全然判らない。とりあえず「鹿の絵の描いてあるヤツ」と返事を書いておいた。
昨日から、頼んでおいたやつがポロポロと到着し始めている。冒頭部分で、佐川さんが破損したと言うヤツもそのウチの一つ。
届いたヤツは、とりあえずワインセラーの中に並べてみて、意味も無く満足してみる。
だって酒自体そんなに強くないし、なんってったって「鹿の絵のヤツ」だもん。
ぜひとも今後もこの勢いで無知を武器にしていこうと、そう決意する今日この頃だったりする。
さてと、決意も固まったトコで仕事に戻りますかね…。
|by Nagarazoku : 18:47|コメント (0)|トラックバック (0)|
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