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2005年11月06日

【 玉笑で、苦笑い 】

おそらく蕎麦好きな方であれば、玉笑と聴けばそれなりに「ほうほう?」とか反応を示すのでしょう。なんでもお師匠さん(蕎麦打ちの偉いヒトらしい)のお店が移転した跡を引き継いで、その弟子が店を構えた蕎麦のお店なのだそうです。

昨日のお昼、そういうお店でお蕎麦をいただいてまいりました。

別にその店で食おうとか、そういった予定なんぞはなく、嫁の勤務先の近くまで行く予定があったので、お昼でも一緒に食おうとそれだけを決めておったのです。で、約束の時間になって、待ち合わせをして「さぁ、ナニを食おうか」という段になってから、チョイとばかり困ってしまったのです。

悪食なアタシはナンでも良い。嫁は蕎麦が食いたいと言う。蕎麦なら勝手知ったる「香り家」では如何なものかとアタシが打診したものの、よく考えてみれば、先日も行ったばかり。あまり連投は宜しくない。ではそのアタリの適当な蕎麦屋にしようか、と思った矢先、そういえば、なんだかケッタイなと言うか、一風変わったというか、敷居の高い蕎麦屋があったよなと言うコトで「玉笑」へ足を運んでみたのであります。

多少の期待を胸に抱きつつ赴いたのではありますが、結果はマコトに残念ながらハズレでございました。コレを読んでる方の中に玉笑ファンの方がいらっしゃたらゴメンなさい。でも、私どもは好印象を受けなかったのであります。

と言うか、蕎麦を食いたくなったからと言って「蕎麦を食うため」に入る店ではないのでしょう。蕎麦について造詣が深い方々が、それを確認するために、それを楽しむために入る空間とでも申しましょうか。お蕎麦のコースを頼めば、それなりに楽しめるのかもしれません。でも、アタシのように、蕎麦食うのにわざわざコースを頼みたくないヒトは行くべきではなかったのかも知れません。

お蕎麦自体は、美味しかったと思います。アタシは関西人らしく鰊蕎麦なんぞを頼みましてズズっと手繰ってみたワケですが、ま、こちらの方は値段相応と言いましょうか、この値段でこの店構えでコレ以下だったら「ダメだよね」なお味で、崖っぷちながら想定の範囲内でございました。

問題はですねぇ、嫁が頼んだ方の蕎麦なのですよ。邪道だとは思うのですが、ナゼだかメニューに納豆蕎麦と言うのがありまして、納豆の好きな嫁は迂闊にもソレを頼んでしまったのであります。

まぁ、そう言う店だとは思っていましたが、この手のお店の典型的な傾向とでも申しましょうか、蕎麦の量は非常に少ない。これは期待値の問題でありまして、お店の側の意図とお客の側の期待値に差異があった場合、これはもうどうしようもない。「富士そば」と比べるのは失礼なのかも知れませんが、蕎麦の量的にはあの半分程度でしょうか。鰊蕎麦の丼の中でも「蕎麦が泳いでいる」様子が、たいへん良くうかがえました。密度的に言えば、普通の蕎麦屋さんの汁ソバにおける「泳ぎ密度」がウナギの養殖生簀におけるウナギの数ほどだとすれば、この手のお店の場合ですと、終わりかけの縁日の金魚すくいの生簀における金魚の数とでも言いましょうか。

昼飯としては失格な量です。汁ソバなら汁を飲めば何とかその場は凌げますが、嫁の頼んだ納豆蕎麦のような創作モノの場合は…。

卓にモノが運ばれてきた時も、小鉢に盛られた何かが出てきた、とまぁ、そんなカンジでした。まさか、落されている生卵と納豆の下に少量(定量)の蕎麦が隠されていようとは、嫁は思いもしなっかた様子。

アタシの方は曲りなりにも丼に入ってる。方や小鉢(嫁いわく、ご飯茶碗だそうです…)。否が応でも比較してしまうでしょう…。アタシが「その中に蕎麦入ってるよ」と言うと、嫁は「え? これだけ?」と聴き返したのであります。嫁の顔には、驚愕の色と怒りの色が斑になって浮かんでおりました。

別によいのです。支持層があれば。

しかし、入ってきたお客さんが、特にお昼時であればどういう「意図」で入ったのかを汲んで欲しかったのですよ。蕎麦にかける情熱と同じなんですよ。蕎麦を打つことだけに専念しているならこういう姿勢でも良いのでしょう。単に食すヒトのために間違いなく打つ。それで良いと思います。でも、お店を構えて「商う」のであれば、そこには色んなお客さんが来ると言うことを、さほどの予備知識も無く入ってくるヒトもいることを汲んでほしかったなぁと、そんな風に残念に思ったのです。

特に厨房の中の真剣勝負的な気迫が伝わってきていただけに、フロア(客席側ですね)におけるプロフェッショナル感覚の無さと言おうか、同音異義語的な希薄さとでも言いましょうか、単にルーチンワークで客にモノを出してるだけとでも言いましょうか、ソレが全てをブチ壊しているのですよ。気が利かないと言いましょうか、「捨て目捨て耳」はドコへ行ったんだと言いましょうか。

注文を受けたときに「そのお蕎麦はお昼ごはんとしていただくには少々量がすくのうございますよ」のヒトコトがあれば、他の選択肢もあったハズです。他のお客様のほとんどがお昼からお酒を召し上がっていらっしゃいましたし、隣の席のご婦人方はコースを召し上がっていた様子でした。その中で酒も頼まず、他の物も取らず蕎麦だけを頼もうという客がいれば、そこで外さないような注文にいざなって欲しかったのですよ、接客をするヒトに。

ちなみに、納豆蕎麦のお味は塩っ辛くて、生卵の味もキツすぎて、蕎麦の風味もクソも感じられなかったそうです。たぶん、お酒を召し上がるヒトにとっては、つまみながら呑めるアテなのでしょう。

アタシがお勘定をしている間、嫁は先に店の外に出ていきました。

お勘定を済ませてアタシが外に出たとき、そこには眉間に4本の皺をクッキリと浮かべた嫁が仁王立ち。食べ物の恨みはコワイですねぇ。

玉笑の暖簾を背に、アタシは苦笑い。
お後がヨロシクないようで…。

|by Nagarazoku : 00:01コメント (4)トラックバック (0)

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量については、そばを食べるときはご自分から尋ねるのが普通だと思います。蕎麦とはおもむきも何も違いますが、焼肉だって1人前はどのくらいの量か、お値段からはわからないと思いませんか?
そして、納豆と蕎麦を組み合わせれば香りが感じづらいのも予想できるはずです。
店の方から「量が少ないですよ」というのは、もっと頼めというようなもの。それはできないことだと思います。小食の方も居ますし。私は玉笑に行ったことがございませんが、前身の竹やぶのせいろは昼食にちょうどいい量でした。あの量ならば一枚食べ終わるまでのびることもありませんし。少ないと思う方のために、そしてのびた蕎麦にしないためにおかわりの品書きがあるはずです。
悪意というか印象の悪い文章だったので、反論者としてのコメントをさせていただきました。
近いうちに実際に玉笑にも行ってみます。ちなみに私は香り家の蕎麦はあの値段を出して食べたいとは思いません。

投稿者 oilio : 2006年11月17日 12:59

>oilio様:
コメントアリガトウゴザイマス。

香り家の蕎麦に関しては賛否両論あるところでしょうが、主題から外れるので、ひとまずここではその話は脇へ置いておきましょう。

竹やぶだったときにはおじゃましていないので、これまた量や質に関しては触れないでおきましょう。そして、それを引き合いに出されて玉笑のことにコメントをいただいても、せっかくですがどう応えていいのか悩むところです。

私は悪食で別に蕎麦そのものにコダワリを持っていたりするわけではなく、「単に平日のランチ時間に昼飯を食う」と言う視点からその感想としてこのエントリを追加しただけなのですよ。正直悪意を持って書いたのではありません。感じたコトを、ありのままに書いたつもりです。それでも悪意と受け止められるのであれば、それはそれで仕方のないことだと思います。十人寄れば気は十色ですし。

ところで私は蕎麦屋で量を訊いたことはありません。阪急そばでも富士そばでもそうですし(そんな店と比べるなと言うのであれば、その方がよほど悪意だと思います)、三合菴でも香り家でもそういうことはしたことがありません。もしもそのオーダ方法が蕎麦を外で食べる際に必要なプロセス/「普通の行為」であるのだとすれば、おそらく私の社会通念が欠けているのでしょう。でもまぁ、そういうお客さん、要するに量を訊かないお客さんも居るという事は事実でしょう。

納豆との組み合わせは、香りを楽しむとされている蕎麦になぜそのようなものとの組み合わせが存在するのか首をかしげざるを得ないトコロですが、出す側も出す側ですし、頼む方も頼む方という理解で、この際いらぬ討論は割愛したいと思います。私的にはそういう微妙なコンビネーション物には食指が伸びないのでハナから目に入っていませんでしたし。

それでは、玉笑の来店報告を楽しみにしております。
以上、とり急ぎ。

投稿者 Nagarazoku : 2006年11月17日 13:31

玉笑、行ってまいりました。
・玉子焼き
・焼き味噌
・そばがき
・とうふ蕎麦
・なめこ蕎麦
・せいろ
を試しましたがいずれも美味しく、期待を裏切らないものでした。そばの香りは玄蕎麦の香り豊かできちんと選んだ材料を使っているという印象です。一品分の蕎麦の量は4,5たぐり位で美味しいつまみをお酒でゆったりとしてからお蕎麦で〆るというスタイルで楽しむ方向けのお店かと思います。時間と気持ちに余裕のない方には向きませんね。ただ、フロア担当の方は教育がまだまだで、行き届いていない感はぬぐえません。その点に関しては店側の一考を期待したいかと。もしくは一度行って気に入ったという方はオーダーを迷わずできると思いますので何度か脚を運ぶしかないでしょう。
蕎麦屋には大きく分けて2つのスタイルがあると思っています。食事の(空腹を満たす)ための店、自分の時間を蕎麦とともに過ごす店。玉笑は後者であったというだけでしょう。

投稿者 oilio : 2006年12月06日 12:15

>oilio様:
コメント、アリガトウゴザイマス。

確かにそういう具合に「蕎麦と共に過ごす店」としては良いのかも知れませんね。食事と言う視点では、恐らく「…」かも知れません。ただあすこの店もコースと言うのがあったような気がしたので、もしかしたら「ゆっくり食事」でコースを選ぶという選択肢が、空腹を満たす派のためにも用意されているのかも知れませんが。まぁ、それにしても時間の余裕が必須要件であることには変わりないですね。

私の場合はもろに食事目的で行ってしまったのが、ネガティブ要素となってしまったのでしょう。

フロアは、そうですか…、やはりあれから1年が経過してもその状態であると言うのは、少々悲しいものがありますね。なにぶん内装にも凝っておられたように記憶しているので(沖縄の朱の色が映えていたと、記憶しているのですが)、できれば店内の雰囲気をより引き立てるためにも、接客に関する配慮も心がけて欲しいものです。慣れてしまえば、それはそれで良いのでしょうが…、やはり評判だけを鵜呑みにして遠方より来店する人たちにまでそういう受け側の姿勢を求めるのも無理があるので、そのあたりは是非とも今後の課題にして欲しいものです。

投稿者 Nagarazoku : 2006年12月06日 18:30




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