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2005年11月05日

【 「下流社会」を読んだ 】

下流社会下流社会」をザックリと読んでみた。9月に出た本なのでアチコチで話も聞く。アマゾンで何か買ったついでにポッチリしておいたのだと思う。詳細はあまり覚えてないし…。昨日の朝届いた荷物の中にあったので、仕事の合間の息抜きに読み始めて、夕方ジムでウダウダとバイクをこいでる間に読み終わってしまった。

赤ペン片手に、メモを取りながら読んだワケでもない(そんなコトするまでもない)ので偉そうなコトは言えないのだが「あっ、780円と時間を損しちゃったな」と思わせる本。コトバは悪いが、こんなコトならバイクで汗を流しつつ、いつものようにRobin Cookのお気楽なメディカル・サスペンスでも読んでた方が息抜きになった。

著者の手腕を活かし、数字で攻めてるあたりはとても明快で良いんだケド、結局のトコロ、落としどころが無く感じられて「だからどうした?」と思ってしまうのだ。

実際にメッセージがリーチする層を考えてみれば、この本を手にとって読むうちの3分の1は同じような感想を持つんじゃないかしら。だからこそ惜しい気もするし、まぁ、そんなもんだよねと言う気もする。そのあたりを絶妙に外してるトコロが、いや結局のところ野に出たら自ずと外れてしまうあたりが消費や流通や情報の矛盾だったりもするんじゃないかと。行き着く先が堂々巡り、パラドックス、入れ子細工の箱の中の外箱の鍵のような、そんな簡単な話ではないような。

確かに著者の言うように、この先階層の二極化と固定化が進んでしまうかも知れない。でもそれが「必然ではない」と、ダレも言い切れないトコロが微妙に座り心地が良くない。そういった二極化や、社会権的な人権側面のネガティブな部分は、国や社会や経済や文化や文明が次のフェーズに移るためには必要なモノかも知れない。

いや、ひょっとしたら著者が懸念している階層化なんて、アッサリとガラガラ音を立てながら崩れて行くのかも知れない。米国あたりではそう言う風な傾向も出てきてるし。

著者が「下流」もしくは「下流予備軍」の方々に叱咤激励を飛ばしたなら、とりあえずその層にメッセージをリーチさせねばならんと思う。いやいや行政や立法の側からの基盤整備を優先するべきだと言うなら、やはりそちらの層にメッセージが届くような媒体を選んで欲しいと、そんな風に思う。

新書、お手ごろな価格、サックリと読める内容、どれをとっても宙ぶらりん。メッセージを本当に聞いて欲しいと思われる、どちらの層に対しても届きにくい媒体。読んで「うんうん」と頷けるんだけど、頷いてるヒトに何かを出来るかと問われれば…。ま、著者がそう言う読者層に向けて書いてて、そこにリーチして印税と評価さえ得られれば良いというのであれば、目標は達成してるコトになるから皮肉。そう言う層は肌で感じてる現実を再確認するダケってコトなのではないだろうか。以下、これ以上書くと愚痴が多くなるので省略。

P.S.
落としどころが無く感じるのは、国民総中流意識を軸にした日本的経済優位性復権を願う姿勢が随所に見えるからかも知れない。矛盾するハナシなんだけどね。

最後の最後に妙案が書かれているケド、高所得層の子女にハンディを付ける「ゲタ履き入試」はなんだか良くわからないし、「東大学費無料化」は何のことやらだと思う。地方救済の大学授業インターネット計画は、実施に必要なインフラストラクチャが日本全土に広がってるという誤解(いまだにADSLさえ接続できない地域は沢山ありまっせ)の元に成り立ってるし、「地方から東京に進学した場合の資金援助」に関しては、結局お江戸中心の階級社会形成に一役買おうかという本末転倒的なカンジもするし。

〆を飾ってる「高貴なる者の義務」ってヤツの「高貴なる者」なんてのは愚の骨頂、目障りです。宗教っぽくなるけど「高貴なる者」ではなく、単に「ヒトとしての義務」でエエのではないか。ダレでもできる範囲で、カネじゃなくてもエエから本当の意味での社会貢献を、奉仕を果たそうという意志を持てる社会を目指そうとか、ウソでもエエから語れなかったもんだろうか。

「下流がダメなのに上流や高貴はOKなんですか? 問題はソコじゃないですよね」と最後の最後に思わせるあたりが狙いなのか、狙いじゃないのか…。

|by Nagarazoku : 00:00コメント (0)トラックバック (0)

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