≪ 「黄色い声」は共感覚? |メインページへ戻る| 台風の影響で… ≫

2005年09月07日

【 モミジの天ぷら 】

どういうワケだかモミジが好きで、狭いベランダに3鉢もあったりする。その内の2つは盆栽級なので場所も取らないんだが、赤枝垂れの鉢物は背丈が1メートル前後あって、なんだかけっこうデカイ。最近、近所の瀬戸物屋の前に背丈2メートルばかりの瀟洒な枝ぶりのイロハモミジがあるのを見つけて(メインの売り物は、アレが入ってる立派な鉢なのだろうが…)、かなり気になってはいるのだが、立派すぎてさすがに値段を聞く気にもなれない。よしんば買得る値段だったとしても、もうベランダには置く場所が無い。残念極まりない。

モミジと言えば、世間では広島の「もみじ饅頭」かも知れないが、大阪の北摂津界隈の人なら、モミジと言えば「モミジの天ぷら」を思い浮かべる人も少なくないと思う。で、世間ではモミジの天ぷらなんぞ食ったコトなんか無い人の方が圧倒的に多いような気がする。別に市民権を得る必要があるような食い物じゃないから良いのだけれど。

摂津の国、箕面の山に「箕面の大滝」と言う名瀑がある。車で山まで上がってしまえば風情も何もあったものではないのだが、阪急電車で行けば麓にある駅で降りて、エッチラ、オッチラと渓谷に沿って歩いてゆけるので、けっこう楽しい。一時は周辺に生息しているニホンザルが凶暴化して観光客を襲うという問題も発生していたが、人慣れしてしまった猿を山へ追う努力が実って、最近ではそういう話も聞かなくなった。箕面と言えば昔は「猿」だったので、猿を見かけなくなった箕面はどこか物足りない気もするが、互いの社会の間で問題が生ずるなら下手に顔を合わせない方が得策かもしれない。かく言うアタシも、猿が暴れまわっていた全盛期に箕面のスカイラインで自転車のロード・トレーニング中、いきなり道路に飛び出してきた猿の集団に前輪を掠められて落車し、鎖骨を折った経験がある。

箕面と言えば「猿」と書いたが、実は、箕面と言えば「もみじ」でもある。北大阪、摂津界隈で箕面が確固たる認知を得ているのも、その群を抜いた紅葉の美しさからだ。季節がくれば、渓流沿いの山肌は艶やかに彩られる。渓流と言って、小学生の遠足のメジャーなコースになるくらい道は整備されている。だから、よほど足腰に自信のない人でない限り歩いて件の大滝までゆける。そして登りきったトコロにある大滝を背景にしたモミジの紅葉も、これまた絶景。絶景と言っても恭しさや高貴なソレとは違って、親しみの持てる庶民的な「絶景」であるところが良い。気軽な絶景。

で、「モミジの天ぷら」である。あたりのそこココにある土産物屋の軒先で揚げて売られているのが、この「モミジの天ぷら」。天ぷらと言っても、天つゆを付けて食うアレでもないし、衣にあのサックリ感もない。どちらかと言えば、バリバリと食うカンジ。モミジの葉っぱに衣を付けて揚げた、一種の揚げ菓子。ほんのりと甘い。揚げ色も関西風らしからぬ濃い色。衣が硬いので下手をすると葉を挟んだ上側と下側(どっちが上か下かは知らん)が分かれる。そんな時は、中に挟まってた葉っぱだけ食う。葉っぱだけ食っても、脂っこいだけで美味くもなんともないのだが、なんとなくそんな風に食ってみたくなる食い物。大阪弁で言えば、ケッタイな食い物。

店先で揚げてるので、できれば揚げたてを、っと願うのだが、それもはかない願い。いつも「じゃ、はいコレっ」っと手渡されるのは箱に入れられて積まれてる山の方の品物。このあたり、祭りの屋台で食うヤキソバ的な感覚でもある。

決して恭しくもないし、豪華な化粧箱に入ってるワケでもないし、入れるようなもんでもない。脂っこいので好き嫌いがあると思うし、決して普段なら好んで食うようなものじゃないが、見るとなんだか「ついでやから、買ぅていこか…」と言う風になる。親しみの持てる庶民的なお土産。この夏前も、寺に行ったついでに「なんとなく」なキブンになって、箕面の駅前でこの「モミジの天ぷら」を買ってしまった。ま、そういった代物。まだ食べたコトの無いひとは、一度くらい食べておいても良いかも知れない(食べたからと言って、別段ナニが自慢できる代物でもない)。

ところで、じつは「もみじ」とはモミジの本名ではない。俗称と言うか通称と言うかデファクト・スタンダード化して本名よりも名が通ってしまってる名前。ちょっと調べてみたら、もみじの語源は揉みずだそうだ。よく揉んで、染料の色を出すと言う意味。ここから派生した言葉で、「もみず」がもともと「紅葉」そのものを指していたらしい。なるほど、色を出す=色付くとなるのか。こりゃ、ちょっと勉強になったわ。

|by Nagarazoku : 09:51コメント (0)トラックバック (0)

トラックバック・スパム対策のため、このBLOGへのリンクを持たないページから送られたトラックバックは自動的に拒否されます。悪しからずご了承ください。
また、このエントリと全然関係の無い内容のページからのトラックバックは、アタシ的な判断で勝手に削除します。これも又、ご了承くださいマセ。

■このエントリーのトラックバックURL ≫ http://www.nagarazoku.com/mvt/mt-tb.cgi/271



▼コメント(スパム対策のため、半角英文のみのコメントは受け付けていません。悪しからずご了承ください。)




保存しますか?