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2005年09月09日
【
DAHONのALLEGRO 】

アクセスログを見てると、時折、DAHONのALLEGROと言うキーワードでサーチをかけてこのサイトへきてくれている人がいる。実はDAHONのALLEGROに関するエントリはまだ無い。あるのは外のサイトへ上げてる「DAHONのALLEGROの分解検証」の画像集へのリンク。これじゃぁワザワザ来てくれたヒトに申し訳ないので、
ALLEGROのコトをチョイとばかり書いてみたい。
ちなみに、自転車に興味の無いヒトにとってこのエントリは、とっても面白くないと思うので、読まない方がいいかも知れません。それから、このエントリを読んで自転車にハマってしまっても責任をもてません。
DAHONと言うのは自転車メーカー。賛否両論が分かれるトコロだとは思うがアタシは好き。工業製品として「やり方」が良く出来てる。そしてボッタクリをしない良心的な価格設定。モノの出来がズバ抜けて素晴らしいワケでもクレームを聞かないワケでもないけれど、不具合に対するメーカや代理店側の対応は決め細やかな部類だと思います。得意分野は小径の降りたたみ自転車。その分野でも値引き後実売価格サンキュッパな超極安モノから15万円前後の「本気モデル」まで、気合を入れて作ってる。レア・メタルなチタンの素材調整が間に合わず、あえなく発売が中止になったが、本当なら今年の春に、総チタンフレームの超本気旗艦モデルが登場するはずだった。まぁ、それくらい小径折りたたみ自転車に気合を入れてるメーカ(現行のU6アルミのマシンでも充分すぎるくらい軽くて良い出来なのだけど…)。
工業製品としての「やり方」が良く出来てると書いたが、その手法は型落ちした製品をOEM市場へどんどん流すというやり方。シボレーのロゴを付けた小径の折りたたみ自転車を良く見かけるが、あの手合の多くがDAHONの過去のモデルのOEM。現行製品との差別化もできてるし、顧客のセグメントも分けてキッチリ稼ぐその手法は、なかなかスゴイ。気がつけば町中の小径折りたたみ自転車の5割以上(いや、もっとかも知れんな)DAHONとDAHONクローンっぽい気配。
実はDAHONは自らもOEM供給してたりもする。アメリカの自転車界が生み出した超変人オヤジ(ウソです、尊敬してます)、
リッチーのデモンタブル・フレームを使ったロード・レーサー風の自転車やマウンテンバイクなんてのをOEM製品として自社ブランドで売ってる。リッチーと言えば、ロジック・フォークの有り方を説き直した奇才だが、知らぬ間に独自のアイデアで新しいデモンタブル・フレームなんてのも生み出してたワケだ。
デモンタブル・フレームって言うのは自転車のフレームが分割式になってるって言うコト。チャリンコを持って旅行に行くのがお洒落とされていた時代に、フランスの名門、Rene HERSE(昔ながらの読み方ならルネルスだな)などが生み出した方式。自転車を持って行くなら、当然かさばらないほうが良い。できるだけコンパクトにまとめたいのだが、いかんせん、その構造上自転車で一番デカイ部品はフレームになる。フツーサイズの自転車では、フレームは車輪よりもデカイ。そこでルネルスのオヤジは考えた。ぶった切ってしまおう、っと。なんたる大胆な発想。ぶった切って、乗るときに螺子でつなげばエエと言うコロンブスの卵。確かに、小さく梱包するという視点から見ればこのアイデアは成功だった。しかし、接合部に強度を持たせるために車重が増えた。残念。トレード・オフとして納得できるユーザには支持されたが、決してメジャーな路線になることはなく、ウダウダとしてたのが、このデモンタブル・フレーム。正統派ランドナー乗りな皆さんには、おフランス流にデモン・タ~ブルと発音せぇと言われそうだが、この際ここではデモンタブルで統一。アタシはランドナー乗りでもルネルス乗りでもないので、気にしてません。
日本でデモンタブルと言えば、ナショナル自転車(今はパナソニックか?)が一時期ルネルス形式のコピーモノを出してた。近しい先輩が乗ってたので、乗る機会があったのだが、フレームがぶった切れるコトを除き、別段コレと言った感想はなかった。どちらかと言えば、やはりチョト重いんじゃない、なんて思ったのは事実だが。
で、歴史の影に隠れてもうこのままサヨナラしてしまうのか、一部の熱烈愛好家とフレーム・ビルダーの趣味の世界に埋没してしまうのかと思われていたデモンタブルに、マンハッタン47丁目界隈のブロードウェイ・ミュージカルのステージばりのスポットライトを当てたのが、件の奇才リッチー親父(売れたか売れてないかは別、問題はウケけたかウケてないかです)。
リッチー親父はある日、「こんなん出来たけど、どない?」っと業界に発表した。見ただけでは誰もなんだかわからないフツーのチャリンコのフレーム。でも本人曰くデモンタブルだと言う。でもデモンタブル・フレーム特有の接合部(通常トップチューブの後ろ3分の1のアタリと、ダウンチューブの後ろ3分の1あたり、一番チカラを逃がしやすく、ロウまわしの熱による鋼管の強度劣化の少ないアタリにある)が見当たらない。
しかし良く見れば、なんだかサドルをつけてるパイプ(シート・ポストと言う)を止めてる螺子が前後2箇所にある。通常は1箇所、もしくはクランプで1箇所〆のハズ。で、よく見ると、そのアタリに切れ目も入ってる。ダウンチューブはと言えば、もう根元のあたり、良く見なければわからないトコロに5ミリ幅程度のよくわからないクランプが付いてる。みんな「まさかね…」っと思った。でもそのまさかだった。
ダウンチューブのクランプを外して、シートポストを抜いてしまえば、フレームが分割されてしまう。トップチューブをぶった切ってないから、強度も落ちず、補強する必要もなく、フレームも軽い。シートポストが噛み込んでガッチリと固定するから、強度は通常のフレーム並み。ダウンチューブも分割部が互いに噛み込んでクランプ止めされるから、全然違和感もないし、強度的な不安も出ない。しかも完成車の重量は、下手なカーボン・フレームやU6アルミのフレームのロードレーサーより軽い。そして飛行機に乗ってガシガシと旅行してチャリンコに乗るアメリカ人ユーザにはウケた。
で、本家リッチーさんのトコロでも「BreakAway」システム(直訳すると「取り壊し」ってなるのが、怖いよな)として売ってたりするんだが、DAHONがこれに目をつけて言い寄った。米国折りたたみ自転車のメジャーからのハナシにリッチーさんも喜んだ。そうしてDAHONのALLEGROが誕生。2005年からはFLO(フロー)と言う名前でマウンテンバイクもこの形式のフレームで出してたりする。
アタシの事務所にはこのALLEGROが1台転がってたりする。購入して約1年。今年の夏前にColnagoのプレジデントをメインマシンとして買ってしまったので、セカンドマシンになってしまったが、基本的に素材も素性も全然違うのでセカンドマシンと言うには申し訳ない。だってALLEGROの「素材」としての完成度がとっても高いから。
2005年モデルになって、一挙に5万円以上も値段が上がってしまったのは残念だが、それでもDAHONの自転車は2割引販売が常識となってるので、お値ごろ感はある。運よく2004年モデルの流通在庫をみつけたら、超ラッキーかも知れない。デモンタブルで旅行もしたい、レースもしたい、部屋に置くのもスポーティなロード系が良いってヒトには最適な1台です。そのへんの草レースなら全然問題ない強度です。ロードやピストを転がしてたアタシが言うのだから大丈夫。

しかも軽い。標準装備のアメクラ(アメリカン・クラシック)のホイールは現在流通してる完組ホイールの中で最も軽いモノの一つ。このチャリンコにこのホイールが付いてるだけでも、ちょっとビックリ。軽くてもスポークの本数はキチンとあるから、ムチャな乗り方してもキッチリと受け止めてくれます。初期アタリが出るまでの振れは、アメリカ物なので想定の範囲内ってコトにしてください。別にアタシはDAHONの回し者でもナンでもないけど、ALLEGROはとっても推薦する1台です。アタシは軽さを強調しすぎる面があるけど、やはりバネ下の重量は少ない方が身体への負担も少ないので大切です。だってサスペンションの無い乗り物では、ニンゲンの身体も「バネ」の一部として酷使されるワケですから。
≫ BreakAwayシステム製品≫ 分解の様子のビデオ≫ RitcheyのBreakAwayブログP.S.
ついでだから小径折りたたみ自転車の云々を。
小径の折りたたみ自転車といえば、英国の博士が率いるモールトンこそが本物だと言う人もいるけど、モノを試してみた限りではナニを持って本物かは結局ユーザ次第だと実感。英国のお城で作られてる「本物」ユーザが、台湾でOEM生産されているモノを蔑む視点もとっても痛い。ああいったユーザ事情を生み出してしまうアタリもいただけない。しかも高い。お城物は「高級」な趣味の物と割り切って生産されているアタリが薀蓄タレっぽいし、台湾物も質の割りにはクソが付くほど高い。あの塗装ムラなんぞ、出荷する以前に工場ラインの検品で撥ねろってカンジがする。進化してるつもりなんだろうけど、変化に対応できずに勝手な方向へ進んでるだけって気もする。まぁ、ゲンキでやって欲しいのは山々なんだけど。
そうそう、モールトンと言えば日本の
ブリジストン自転車が博士の初代の「発明」を進化させて発売してる。こちの方が、進化と呼ぶにふさわしい。カネと置く場所があれば、コレは1台欲しい(マジで)。
英国つながりでブロンプトンはどうなのかってハナシもあるが、すんません、ブロンプトンは乗ったコトも触ったことも、さわろうと思ったこともないので、なんとも言えません。どこか牧歌的で安心できるデザインだとは思います。
じゃぁ優れた工業製品で定評のあるドイツが生んだ世界の折りたたみ自転車BD1はどうなのかと言うと、コレもアタシは乗ったことが無いのでナンとも言えません。しいて言えば嫁がこいつのOEMを以前持ってて、「安定感にかける」と評価していたコトだけは書いておきます。たしかに、調べてみればステアリングヘッドの位置や、形状で、そう感じてるヒトも少なくないのは確か。でもまぁ、DAHONだって超オーバ・ステアな乗り心地だし、そこは慣れってコトで。親友もこいつを1台もってますが、彼のBD1に対する評価は高いです。

DAHONついでにオマケ画像を追加。これがDAHONの本流小径折りたたみ自転車。車種は
HELIOSのSL、本気モデルです。おそらく普通の人がこの大きさの自転車を見て想像する値段とはかけ離れた価格。安物のロードレーサ買えちゃいます。しかもフレームなんか一瞥しただけぢゃ、サンキュッパのモノとは見分けつかないし。でもちゃんと見れば全然違うんですよ。素材はU6アルミだし、ホイールだってロルフのレーサーもどきモノが付いてたり、カーボンのハンドルだったり。ちなみに画像でチャリンコこいでるのは愚妻。アタシのHERIOSを奪って逃げてる時の画像です。
|by Nagarazoku : 13:47|コメント (2)|トラックバック (1)|
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» デモンタブル from まいでぃく Plus! (PukiWiki/TrackBack 0.3)
むかし東叡社という自転車工房が作っていた、オーダーメイドの高級ランドナー(ランドナータイプの自転車はだいたい高級でしたが)。 デモンタブルはフレームがワンタッチ... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2007年05月10日 00:43
”チタンフレーム アメリカ”で検索したらなんともここに辿りつきました(結局,ど忘れして思い出したかったのは”Litespeed”だったことがわかりました).
私の周りにもDAHONを乗ってる人は結構います.改造好きが多いのか,ドロップにしてる人が多いですが.確かにどのモデルを買ってもコストパフォーマンスではずば抜けていますね.
いつかは小径は欲しいと思ってます.折りたたみを必要とするかどうかが別れ道ですね.
モールトンの話は同感ですね.確かにモールトンはとても綺麗なんですが,スノッブをことさら自慢してるようなところや高額なことを売りにしてるところは嫌ですね.
投稿者 yanz : 2006年10月23日 18:38
>yanz様:
コメントアリガトウゴザイマス。
Litespeedですか、いいですねぇ。アタシもいつかはチタンフレームに乗りたいと思っています。
プレジデントを買った時も、あれだけの大幅値引きがあったからで、本当はもう1年くらい貯金してデローザのチタニオにしようかと(納期もそれくらいかかると言うことでした)思ってたんです。実は件のDAHONのチタンモデルは発表と同時にオーダーをかけていたのですが、メーカ側の事情で(生産ラインを置く、中国本土で問題にぶつかったと聞かされました)あえなく入手困難になってしまい、それ以来チタンフレームへの欲求が高まっていた時期だったので、けっこう悶々とした日々を過ごしていました。
DAHONってメーカは本当におもしろいですよね。幅があると言うか、遊び方を知ってると言おうか、そういう西海岸のカルチャーがプンプンしてる乗り物です。小径ホイールの車輌は判で押したようにVブレーキ仕様なので、ドロップにするときはブレーキレバーの引き量を調整するための滑車が必要になりますが、まぁそんな些細な点を差し置いても、素材としての良さの方が(コストパフォーマンスも含めて)目に付くのがDAHONですよね。
ところでアタシがDAHONに乗ってるアタシが言うのもなんですが、もしも小径で折りたたみを気にしないのであればBSのモールトンの非分割モデルなんかが、案外良いかも知れませんよ。そして、もしも折りたたみを意識するのであればスーツケースに入ってしまう本気バイク、BIKE FRIDAYなんてのはどうでしょう。(っと焚きつけてみる
まぁ、そうやってイロイロ考えてるときが一番楽しいのですが…。
モールトンは悪くないんですけどねぇ…、いかんせん進歩と文化がねぇ。以下省略。
投稿者 Nagarazoku : 2006年10月23日 19:09