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2005年07月31日
【
英語のデバッギング指南書 】
無くて七癖と言うケレド、「ネイティブ・スピーカー」ってコトがご自慢の米国人翻訳者も、日本文の解釈の仕方は十人十色。「オマエ、エエ加減にせぇよ!」ってなレベルから、「アタシより、良く理解できてるじゃん」ってな技有りモノまで、様々な原稿が手元に届く。それらをクライアントが望む口調に直して、仕立て上げたりするのもアタシのシゴトの一部だったりするワケだが、お題目の異なったモノを一日に数本も特急便で詰め込まれると、お脳のアタリがヘロヘロになってしまう。
かくして、昨日はお脳ヘロヘロ状態で、その余波かどうかは判らないが、夕方から4時間も昼寝を決め込んでしまった。
10年程前までは、ホントに翻訳家業へドップリと足を突っ込むなんて思ってもいなかった。普通の(一説では、普通ではなかったそうだが)サラリーマンをしつつ、「そういった家業で食えたら面白いだろうな」と悶々としつつ、アレやコレや勉強していたコトは確かだが、漠然とした期待は持っていたものの、実際ソレが実を結ぶとは思っていなかったのだが。別に英文科を出たワケでもないし、いわゆる教育機関系で英語のその手の教育を受けたワケでもない。英語の勉強と言えば、とにかく聞きまくって耳を鍛えたコトと、闇雲に写経をしたコト。とっかかりはALCさん、その後はDHCさんの教材のお世話にもなった。
写経と書くと「なんじゃ?」と問われるかも知れないが、要するに書き取り。小説から週刊誌、果ては様々な機材や機械の添付マニュアルやダイレクトメールに至るまで、とにかくガムシャラにブツブツと音読しながら書き写した。そのおかげだと思うが、英語を書くのは全然苦じゃないし、手書きの字なんて日本語を書くより英語の方が(文字数が少ないんだから、当然だな)綺麗だったりする。
余談はさておき。
プログラムやスクリプトを書いてた場合、自分がチョンボをすれば動かない。コレあたりまえ。コンパイラが文句を言う時もあるし、デバッガに怒られるコトもある。はたまた、一通りの検証を済ませて、OKだろうとカットオーバして皆でビールの杯を上げてたりしたら、いきなり現場からバグ報告のデンワが入ったりする。要するにダレかが、文句を言ってくれるワケだ。
ところが、とりあえず読めてしまう文章ではそうはいかない。チェッカも忙しい時には読み飛ばすし、クライアントの担当だって、一字一句追っかけてはくれない。昨今のワープロソフトウェアやIMは賢いから誤謬適示を行ってくれたりするが、それもまた意図したものと違う場合もあったりする。
本来であれば、「こういった場合は、こう書く方がスマート!」的なアンチョコがあっても良いと思うのだが、その手合いの本を探したりすると、突然レベルが下がってしまって良くあるテンプレート形式の押し付け文章モノになってしまう。レベルを上げればThe Chicago Manual of Styleみたくなってしまうし。

自分の文体や文章を活かしつつ、それでいて悪いトコロだけを矯正してくれるような、そういった手合いの本があれば良いのにと思ってた。1999年のある日、DAVISのBORDERSでそんなコトを思いながらライテイング関係の書架を漁ってたら、
BUGS in Writingと言う本を見つけた。
あるじゃないですか、思ってた本が。内容はお題目ズバリそのもの。慣用表現の落とし穴や、普段何気なく使ってて気が付かないエエ加減な書き方を矯正してくれる。基本的にネイティブのライター(特にテクニカル系)向けに書かれた本だが、ノン・ネイティブにも当然有益。なによりも、簡潔で読みやすいのだ。この本自体が、お手本みたいなもんかも知れない。ワーディングも決して小難しいものを選ばず、楽しみながら読めるように構成されているあたりも秀逸。版元はInside MacintoshでおなじみのAddison Wesleyだし、そりゃ読みにくいハズもなかろう。
先日、邦訳は出てないかと思ってAmazonで検索してみたが、残念ながらまだ出てなかった。ともあれ、英文を書くヒトなら別に邦訳は必要ないのだろうケレド、アタシ的にはこの手の優良な書籍がなんで邦訳されないのか、いつも首を傾げてしまうのだが…。
|by Nagarazoku : 10:50|コメント (3)|トラックバック (0)|
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こんにちは。
なかなか良さそうな本ですね。
しかし、こうなったらNagarazokuさんが出版社へ翻訳の企画を持ち込むしかないのでは。
> この手の優良な書籍がなんで邦訳されないのか
というような未翻訳本は結構ありますね。自分としては一応理解できても「多くの日本人に読んでもらいたい!」と思わせるような本が。
こういう本の翻訳がやっと出て「よしよし、出版社も目の付けどころは確かじゃないか」と喜んでいたら、明らかにその分野を知らない人が訳しているため、用語が変だったりすることがあります。ビジネス書なんかですと、丸々一章を飛ばした翻訳本が出したりします。(ああ、その省略された章が大切だったのに…)
「そんな翻訳、私が破格値でやってやります!」と出版社に直訴したくなることすらありますが、そんなことは口が裂けても言いません。翻訳は大変ですから。(その点、通訳はその場で訳した言葉が消えていくから、まだ楽だという人も結構います。)
投稿者 ふくしまゆみ : 2005年07月31日 21:32
暑いですね・・
> お題目の異なったモノを一日に数本も特急便で詰め込まれると
> お脳のアタリがヘロヘロになってしまう。
最近は論文を課す、上級学校の入試が多く、作文を読まされることが多いんですね。人間というのは、文章を読む時は基本的に相手を理解しようとして思考するものらしく(まあ当たり前なんだけど)、書く方も訳の分かっていないことを読み解くのは、非常につらい。
まさに、脳みそがヘロヘロになってしまいます。
p.s. 自宅のNECのマシン(いわゆる98ってやつです)が先日いっちゃいました。11年間動いていたんですけどね。特にここ2年ほどは自鯖として24時間稼働させて老体にむち打ってしまいましたから。
投稿者 徹 : 2005年08月01日 08:26
>ふくしまゆみ様:
たしかに、中身見てオイオイな訳本多いですよね。後、有名人のフェイス・バリューで売らんかな姿勢モロ出しな本とか。
アタシが出せるものなら邦訳して世に出したいですよねぇ、こういう本って。でも、タブン、編集者の方は破格値にしてもアタシとシゴトをするダケで気苦労が絶えないと思います。仕事となると収支以前に細かいコトを気にするヤツなんです、アタシってば…。
>徹様:
確かに読むって作業ってば、どんなに受身に見える時でも、実は高度に創造的かつお脳のデータベースを酷使する仕事だったりするんですよね。心地よい疲労感のウチは良いのですが、それが過ぎると筋肉と一緒で肉離れを起こしかねませんよね。アタシ的にはそう言った時に「絞っても水が一滴も出ないボロ雑巾」と自分の頭を表現したりしています。
98君お亡くなりですか。アタシの側で動いてる最古のハードウェアを使ったサーバと言えば、初代のVAIOのC1です。こいつももう6年選手です。
投稿者 Nagarazoku : 2005年08月01日 18:01