≪ ITは企業の武器ではない |メインページへ戻る| 文化庁アイコン疑惑の真相 ≫
2005年05月25日
【
できると言うアメリカ人 】
「できなくてもいいんだ、できると言ってくれればいいんだよ、それがアメリカ式なのさ」ローレンスはアタシにそう言った。
「でも、できるかどうかは判んないヨ。できなかったらどうするさ?」とアタシ。
「その時はその時で考えればいいのさ」と、悪びれる風もなくローレンスが返す。
ローレンスは交響楽団の指揮者兼代表。交響楽団と言っても、元々はイースト・ベイの小さな町のチェインバー・オブ・コマースが後ろ盾して立ち上げた地元密着型のフィルハーモニック・オーケストラだ。縁あって、在米中にこの楽団の事務局のシステムを立ち上げた。
っと書けばかなり聞こえは良い。しかし現実は全然違う。
事務所に行ってみればあるはずのPCすらない。あるのは、見ただけで「ひぃ!」っと悲鳴を上げたくなるような古いMacと286マシン。バンカメ(Bank of America)のNPO支援プログラムを利用して、小マシなペンティアム機のドネーションを受けると聞いていたのでてっきり事務所に届いてるもんだと思ったのに。ハナシを聞けば、ドネーション・プログラムへの応募手続きからアタシにやってくれと言う。
しかも事務所に初めてアタシがカオを出した日、ローレンスはこう言った。
「ボクぁ、明日から夏休み。彼女と一緒にヨーロッパに行ってくるから」
「え? なんで? ローラ(事務員のパートさん)も夏休みでしょ。電話とかダレが出るの?」っとアタシ。
「キミが出ればいいじゃん。テキトーにやっといてよ。」とローレンス。
オイオイ、そんなんでエエのんか? 新参者のワケも判ってないニホンジンを一人だけ残して…。その時はシャクだから「できねぇよ、そんなにナンでもカンでも」とは言わなかった。心配してたほど電話も鳴らず、対応できない程やっかいなコトも起こらず、2週間が過ぎた。一人でドップリと機材選びやら、古いマシンのデータベースに入ってるデータのスキーマを洗ったりすることもできた。
「ホラ、全然心配なんてなかったじゃん」と帰ってきたローレンス。
「デモネ、もしなんかあったらどうしたさ?」とアタシ。
「ローリー(ボードメンバーで近所に住んで、財務会計を担当してくれてた)とかに相談すれば済むコトじゃん」とローレンス。
「う~ん、確かにそうだけど、アタシは出来ないコトを心配しちゃうんだけどなぁ」
「いいのいいの、ココはアメリカだから。できないって言っちゃダメなんだよ。トライできることがあれば、それは『できる』なんだよ」
「ホントかよ…」
「ホント、ホント」っと極めて軽い調子のローレンス。「できなくてもいいんだ、できると言ってくれればいいんだよ、それがアメリカ式なのさ」
ナルホドね、やっぱりねココではそれでまかり通っちゃうんだ、っとアタシは実感した。
何かに挑戦するとき、アメリカ人はまず「できる」と言う。ニホンジンは、まず「できないかも」と言う。彼らと付き合いをしてると、規模が小さいうちの大風呂敷はまだ良いが、コトが大きくなってからの失敗はどうすんだと思うコトがしばしばある。裏を返せば、この「ダメモトでも、とりあえずイっとけ!」って大雑把な感覚が、良くも悪くも、我武者羅に前に進む原動力であったりするんだとも思う。しかしねぇ、やはりニホンジンのアタシには感覚は無いわ。
|by Nagarazoku : 09:05|コメント (0)|トラックバック (0)|
トラックバック・スパム対策のため、このBLOGへのリンクを持たないページから送られたトラックバックは自動的に拒否されます。悪しからずご了承ください。
また、このエントリと全然関係の無い内容のページからのトラックバックは、アタシ的な判断で勝手に削除します。これも又、ご了承くださいマセ。
■このエントリーのトラックバックURL ≫ http://www.nagarazoku.com/mvt/mt-tb.cgi/103