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2005年05月24日

【 ITは企業の武器ではない 】

「ITは企業の武器ではない」と思う。コレはかなり真面目な発言と言うか、アタリマエのコトだと思う。"IT doesn't matter"でNicholas G. Carr氏が言うように(この本、わざわざ買ってまで読む内容ではない。こういった事柄を論点にしなければいけないコト自体が問題だと思うのだが)、インフラストラクチャとして確立されてしまったITは、ビジネスの切り札としては使えないと思う。ITのコモディティ化は行過ぎた表現だが、エンドユーザから見れば実際に手にするサービスの裏側の差異など関係ないのだ。要は「安い早い美味い」が求められる。そう言った意味で、競合する企業が同じようなIT戦略に走るコトは、コモディティ化と言われてしまっても仕方がないことだ。ユーティリティ・コンピューティングなんてコトバを業界自らが生み出してしまっている現状もある。

野村総合研究所の末永守氏がこの説に対して異論を唱えておられるが、ITは決して次代のビジネスを創造するダイナモではない。ビジネス・プロセスを補完し、ヒトの欠点を補完してゆくタメの道具なのだ。そのアタリを取り違えて、あたかもビジネス基盤を作り上げているのが情報技術かのような錯覚に陥るコトこそが、今のような動かないコンピュータが生まれる原因ではないのか。そこに技術に携わる者の奢りはないか?

そもそもITに戦略的価値があるという謳い文句自体がおかしい。「瀟洒なクルマを持ってる男はモテル」と同じレベルの文句。所詮は宣伝、所詮は売らんかな主義。それに踊らされた業界が、勝手にジブンのクビを〆てるだけとしか目に映らない。

時代の移り変わりと共に、サービスの提供を受ける末端の消費者やユーザのニーズも変わる。それに応えるために必要なのは革新性を持った技術ではない。求められているモノを的確にとらえて提供する目が必要なのだ。そしてそれをビジネスとして組み立てるための手腕。技術などそのための手法の一つ、道具の一つに過ぎない。技術は常に何かしらの手が加えられて、変化してゆくものだ。それを計算に入れずに最新を謳い売り込む業界の姿勢にも問題アリだ。可能性を秘めた基礎技術は生まれるかもしれないが、silver bulletなどドコにも存在しないし、これから先も生まれない。

ITが万能でナイコトなど、彼の地でIS監査の義務付けやTITLが生まれた背景を見ればダレでも容易に判断できるハズだ。CISAの試験を受けてみれば、如何に頼りの無いものなのかと言うことが良くわかる。

ある時は、この技術を使えば、この仕組みを利用すれば企業は自らのビジネスに集中できると謳う。ところがフタを開ければ、業務プロセスがなってない、IS統制が取れていないから、然るべき結果が得られないと決まり文句を吐く。こんなコトがまかり通る業界は少ないハズだ。ITの優位性や万能を謳う過去の亡霊に縛られているのは、その周辺にいる人たち自らではないのかと思う。そして、そういう風潮こそが業界をどんどんダメにしていっているのだと、そんな風に感じた。

|by Nagarazoku : 00:14コメント (0)トラックバック (0)

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