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2005年04月26日
【
地方の医療はどうなる? 】
日本国内における就労に対し、外国人に広く門戸を開くとは良いことだと思う。高齢化が進み、この先の就労人口に対する懸念がある中では、一つの可能性を提供してくれるものだと考えていたりする。その反面、自分達が嫌がっている仕事を彼らに押し付けてしまっているのでは無いかという罪悪感にも駆られてしまう。
ご存知のように合法非合法、多かれ少なかれは別として、製造業の現場では外国からの出稼ぎ路労働者のチカラにお世話になりっぱなしだったりもする。エントリーレベル・ワーカーからミッドレンジ・ワーカーであれば、雇用する側と就労する側の互いが条件的に納得してさえいれば良いとは思うが、それが「ある種の専門分野」となると、心境はかなり複雑になる。たとえば、先日ニュースで報じられた岩手県のような例だ。医師不足に悩んだ岩手県が、中国人研修医師でその穴を埋めようと検討している。一見すればさらに門戸を開き、外国人就労を促進する良い機会のようにも思えるが、視点を変えれば、中国から医師を奪うことになるのではないかと、そんな風にも捉えられる。
日本でも来年、2006年からフィリピン人看護師の受け入れが決定しいる。米英でフィリピン人看護師が活躍しているのは既報の通りだが、その影響で彼の地では看護師や医師が不足し、医療の現場に深刻な問題を与えていると言う。そんな実情を聞けばフクザツな思いにならない方がおかしかろう。
医者余り日本と一部では言われていたりもするがその実態はどのようなものなのだろう。人口10万人当たりの医師の数は米国などに比べたら少なかったりもするが、英国と同じくらいだったりもする。国土の広さや人口の分布を考えたら、妥当な数字ではないだろうか。一方で「医者余り」と言われ、一方では妥当っぽい数字が出ている医師の数。岩手県の今回のようなハナシが持ち上がる原因は、医師の人口が都市部に集中していることにある。しかも地方との格差は年々広がってたりもする。
岩手県の場合、岩手医大の卒業生が医局に留まらない傾向が続いたために考えられたものだと言う。人材不足を補うために、従来からある外国人医師のための制度「臨床修練制度」を「応用」しようという苦肉の策だ。岩手県はこのほかにも県内の医師確保に向け、受験や医師の子育までも支援する「医師確保にプラン」を提案している。地方での医師確保はこれほどまでに深刻な問題なのだ。目の前の高齢化への対応だけでなく、長い目で見れば、医療と言う生活の基本となるインフラストラクチャが整備(正しい表現ではないかも知れないが)されていなければ人口の流出にも歯止めが利かず、負の連鎖が起きて地方のチカラ自体が衰退しかねない。
提携を申し出てくれている中国医科大だって様々な思惑はあるとは思うが、手塩にかけて育ててきた医師の卵だ、本当に「研修」にならなければ人材を出したくないのではなかろうか。急速な経済の発展に伴い国内での地域間における経済格差などが広がっていることを考えれば、彼の地だって国内の全ての地域で充分に人材が足りているワケでもなかろう。
日本国内で医師を志す人にも様々な「希望」や「想い」や「目標」があり、6年間と言う貴重な歳月を費やし国家試験に挑んでいる。国家試験に合格して希望を胸に、目指していた現場へ突き進むのも最もなハナシだとも思う。「倫理:ethic」を語りだせばキリがない。研修医の過労死事件も過去にある。卒後研修の義務化など、働く側の権利を考えればなおさらにフクザツな想いにもなる。とてもセンシティブな問題だとも思う。
だけど、どんなにコトバを積み上げていっても、人の健康や命に携わる職種を「仕事」や「職業」と言う言葉だけで割り切るのにはムリがある。日本の都合だけで海外から「貴重な人材」を奪って良いのかという疑問がアタマを離れない。
本当に外国人医師が日本で研修でき、その成果を祖国へ持って帰ることができれば良いと思う。しかし今の状態では、一歩間違ってしまえば臨床修練制度そのものの在り方が揺らいでしまうのではないかと思ったりもする。いちど堰が切れてしまえば、地方の医療をどんどん外国人医師に押し付けてしまいかねない。厚生労働省の担当者のコメントも、「地元の大学病院のマンパワー増加のために、行政が臨床修練制度を利用する例は聞いたことがない」となっている。
他に方法はないのだろうか。
どんな国においても、医療は国がその基盤を用意し、国民に平等に提供されるべきものだと信じて疑わない。そして国の問題ということは、国民一人ひとりが考えるべき問題だとも思う。アタシが今ココで書いているコトなど何の役にも立たないのかも知れないが、それでも心の中でブツクサ言ってるよりマシだと思って書いてみた。
|by Nagarazoku : 00:03|コメント (0)|トラックバック (1)|
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