≪ 消費する側の目線に立て |メインページへ戻る| ドコへ行くユニクロ? ≫
ここ数年の、電子辞書の流行には驚かされるばかりだ。小型化と多様化は予測できたが、これほど市民権をえるとは思ってもいなかったし、版権の問題がからんでくるから、こんなにまで価格が下がるとは思ってもみなかった。今では、女性用の化粧品のファンデーション・ケース(昔で言うコンパクトだな)かと見まごうばかりの、瀟洒な筐体を纏ったものも見かける。
アタシが始めて電子辞書を買ったのは1990年。当時のソレは無骨で、クソ「ドでかい」代物だった。搭載されていたROMデータは研究社のリーダーズ英和辞典のみ。お値段は55,000円。値引きは一切無しの殿様商売。大阪の梅田にある紀伊国屋書店で買い求めた。使い込みすぎてキー部分の文字はほとんど判読できない状態にまで磨り減り、ついには液晶が逝ってしまったが、苦楽を共にしてきた仲なので大切に保管している(と言いつつ、そのうち捨てる)。
この電子辞書を買うまでは旺文社のコンプリヘンシブ英和(マイナーだな)辞典を使っていた。カレッジクラウンもあったが、何故かコンプリヘンシブの方が好きだった。しかし手垢で真っ黒になり(手、洗えよ…)、赤鉛筆(蛍光ペンはダメね、経年で色が飛ぶから)で書き込みしすぎて、さらにはアチコチが擦り切れてとうとうボロボロになってしまった(アタシにとっちゃ勲章なんだが、他人から見たらみすぼらしい)。しまいには自らの重みで表紙が剥がれてきたので「これはイカン!」っと、当時新しく編纂され一冊にまとめあげられたランダムハウス英和大辞典を勢いで買った(すでにカレッジクラウンは誰か借ババされていた)。買ったのは良いが、コイツはちとでか過ぎ。昼寝の際の枕にはちょうど良い。卓上版だったハズだが、とてもじゃないが卓上で使うとジャマになる大きさ。しかも「今夜のオカズに浅漬けでも漬けましょうか?」ってな重量。「豪華上製本」とか「完全版」とかの銘に弱いアタシは、よくこの手の失敗をやらかす。取り扱いにホトホト困って、一ヶ月も経たないウチに件の電子辞書に食指を伸ばしたワケだ。今からよく考えてみれば、両方でエラい出費だ。
その後、数台の電子辞書を渡り歩いて、時には肌身離さず持ち歩いて使ってたコトもあるが、ここ3年ばかりはすっかり専用機を使わななった。仕事用のものは研究社のリーダーズ、Collons COBUILD、英辞郎II、南山堂Promedica、ステッドマン医学大辞典やその他専門辞書系の全てがデータ版でPCの中にある。PCの中だけで仕事が完結してしまようになったから、専用機が要らなくなったというのもある(タイプライターも使わなくなったな…)。電車の中吊りや雑誌の広告で新しい専用機を見かけるとココロは動くが、結局は買わない。別に格段ジブンの英語力が伸びたとも思わんから、不精になっただけか、みんなが持ち出したから天邪鬼なアタシは右にならへをしたくないだけなのか。
データ版と言えば、大昔に買ったSONYのデータ・ディスクマン(知ってるヒトなんていないだろうなぁ)のシングルCDから広辞苑のデータを抜き出し(ROM内のデータの取り扱いが、どのようなライセンス契約になってたかは知らん)、ずいぶんと長い間、手持ちのEPWingソフトででマウントして利用していたが、つい最近良心の呵責に耐え切れず(ホントか?)、CD-ROM版の「広辞苑 + 現代用語の基礎知識 + 類語辞典」を購入した。しかし、この3刷分のデータまとめてこんな値段とは、データ出版業界もデフレの波に喘いでいるんだろうなぁ。
データ版や専用機ではないが、PCを使って日本語を綴る場合に何かと重宝するのが、芝野耕司氏が編纂しているJIS漢字字典だ。辞典ではなく字典となっているアタリに着目されたい。アタシが持ってるのは古い方だが、内容を見た限りではこの新しい版は格段にパワーアップを果たしている様子。日本語における文字コードの謎はこれ一冊で解き明かすことができる。
文章を翻訳してると、冗長な表現を持て余すコトが少なくない。スパっと切って落としても良いが、それもナンだか原文に失礼(ホントは朱が入るのがイヤなだけ)な気もするし、かと言って原文ママに訳してキレの無い文章になるのも違うような気がする。そんな時役に立つのが類語辞典。最近気にいって使ってるのは「究極版 逆引き頭引き日本語辞典」と「角川類語新辞典」の2冊。究極版 逆引き頭引き日本語辞典は文庫版なので手元に置いて、気が向いた時に眺めるのに良い。使うというより、スキミングしておくようなもの。何も考えたく無いとき、コーヒーを朝から5杯も飲んでもうコーヒーに逃げられないけど雑誌なんて読んでる場合じゃないとき、それから電車で出かけるけど「今日は何も読みたくない」なんて思う時に最適。
一方、角川類語新辞典は道具だ。調理場で言えばフードプロセッサや良く切れる包丁みたいなもんだ。文章を書くヒトは持ってて然るべきと言った質実剛健な内容だな。
P.S.
翻訳を生業にしようなんて思ってるヒトは、この他にも商品名辞典や固有名詞発音辞典なんかも必携だな。組織名の対訳や専門用語系を載せた資料PFDからテキストだけをブチ抜いて、正規化をかけて自前でオンライン辞書なんかを作るテクニックを持ってれば、なお良しだ(著作権の問題が出るから公開はするなよ)。「捨てようか」なんて考えてる古いPCもそういった使い道がある。宅内にネットワーク環境があれば、そいつに*Linuxなり*BSDなりを放り込んでジブン専用のオンライン辞書サーバにしてしまえば良い。必要なのはApacheとPHP、そしてデータベース・サービスだけだ。
データの抜き方の詳細を書き出すとキリもないしイロイロややこしいが、抜き出したデータはテキスト・エディタで一括処理をかけてSQL文にしてしまう。あとはPostgreSQLなりMySQLなり好みのデータベースを立ち上げて、然るべきテーブルを作って件のSQLで一気にinsertする。クライアント側のインタフェースはPHPでサックリと書き上げれば良い。後は定期的にデータをバックアップする癖と、利用している環境のセキュリティ・パッチに気をつけておけば、ジブンに最適なオンライン辞書があっと言う間に完成する。
|by Nagarazoku : 00:03|コメント (0)|トラックバック (0)|
トラックバック・スパム対策のため、このBLOGへのリンクを持たないページから送られたトラックバックは自動的に拒否されます。悪しからずご了承ください。
また、このエントリと全然関係の無い内容のページからのトラックバックは、アタシ的な判断で勝手に削除します。これも又、ご了承くださいマセ。